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幻想的にライトアップされた船の上で、白いドレスをまとって歌う、紅白歌合戦でのMISIAの姿。
まさに歌姫と呼ぶのにふさわしい存在感だった。「あきらめずに信じ続ければきっと願いは叶う」と思いを込めた力強く美しい歌声と、ディズニーの夢の世界がひとつになる演出が、至福の時間を味わわせてくれた。
パフォーマンスを豪快な花火で締めくくった後も、余韻にひたる視聴者も多かったはず。反響は大きく、Twitterでは「歌も映像も最高だった」「家族みんな泣いた」などの投稿が多く寄せられていた。
2022年は、不安に満ちた1年だった。新型コロナウイルスの猛威が続くうえに、ロシアのウクライナ侵略や急激な円安による食料品などの値上げ。
スポーツで明るい話題があっても、どこか「楽しんでいる場合なのかな」と後ろめたい気持ちが消えなかった。
せめて大晦日くらいは明日に希望がほしくて、すがるような思いで『第73回NHK紅白歌合戦』を見た。
掲げられたテーマは「LOVE&PEACE」。2022年の最後をしめくくる時間に歌で“平和の尊さ”や“希望にあふれた愛”を感じてもらいたい、というメッセージが込められていたからだ。
特に注目していたのが、“ディズニー×MISIA”のスペシャルコラボレーション。デビューから25年間人々を魅了し続けるMISIAがディズニーシーで歌唱するなんて、感動しないわけがない。
しかし、実際のパフォーマンスは、想像をはるかに超える素晴らしいものだった。“メシア(救世主)”と“ASIA(アジア)”をかけた名の歌姫が夢の世界で歌う姿は、消えない後ろめたさも洗い流してくれた。
これから先、心から笑えない日には“ディズニー×MISIA”のスペシャルコラボレーションを思い出そう。一夜限りではなく、きっと何度でも私たちの世界を輝かせてくれるから。
(文 モトマツ)