今年は暖冬とはいうものの、やっぱり冬は寒い。これからますます気温も下がってくるでしょう。すると、手足がかじかむという症状を訴える人が増えてきます。

 末端の冷え性は女性に多いと言われていますが、男性にも悩んでいる方はたくさんいます。そのせいで、夜なかなか寝付けないという深刻な症状をお持ちの方も。

 こうした手足の冷えへの効果的な解消方法を、医師の小田切ヨシカズ先生にお聞きしました。


■血流の悪化が冷えの原因

「人間は恒温動物であり、気温の変化によって体温が変動しないようにできています。脳が寒さを感じると、自律神経の交感神経が作用して血管を縮め、血液の流動を抑えて皮膚の表面から体温が奪われないようにします。

こうした血流の悪化により、体の隅々にまで血液が行き渡りにくくなることで、手足に冷えを感じるようになるわけです。ちなみに、寒い時にガクガク震えるのは、その運動で熱を発生させるためです」


■寒いと血液は腹部に集まる!

「人間にとってもっとも重要な組織が集まっているのが腹部です。この部分が冷えてしまうと、臓器の機能が低下して、体全体に悪影響を及ぼしかねません。それを防ぐため、血液を腹部に集めて体温の維持を図るのです。

すると、やはり血液は末端にまで行き渡りにくくなります。手足の先に冷えを感じるのには、こうした理由もあるのです」


■必須アイテムは“腹巻き”

「ですから、末端の冷えを解消するには、全身を温めるよりもまず、腹部を温めることが有効な手段となります。そこで役に立つのが、腹巻き。時代遅れな感のあるこのアイテムこそ、冷え性改善に効果を発揮します。

また、首・手首・足首の3か所を温めることも大事。これらの部分は皮膚が薄く、温めればその血液がそのまま体を巡ることになるからです」


■コーヒーは体を冷やす!?

「温かいものを飲んだりすることも冷え性改善には有効ですが、なかには飲んだ瞬間は温まっても、すぐに体を冷やしてしまうものもあります。その代表格が、コーヒー。逆に、紅茶は温める効果があるので、飲むなら紅茶を選ぶべきでしょう。

他にも、生姜やごぼうなどの根菜にも体を温める効果が見込めます。ですから、紅茶にすった生姜を入れて、ジンジャーレモンティーなどにすると、飲みやすいし、効果はさらにアップします」


 安眠を促すのであれば、やはりゆっくりお風呂に浸かること。体も温まり、副交感神経が有利になることでリラックス効果も促進。非常に良い状態で眠りに就くことができます。冷えを防いでしっかり睡眠をとって、冬を乗り切ってください。


【取材協力】

小田切ヨシカズ・・・湘南育ちのサーファー医師。ワークライフバランス重視の36歳。現在、横浜の内科クリニックに勤務中。

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ