余貴美子「妖怪ババアを演じさせていただきました」東京国際映画祭で主演作上映
余貴美子(70)が28日、都内で開催中の東京国際映画祭コンペティション部門に出品された主演映画「妖怪、化物をひろう」(池田暁監督、12月25日公開)舞台あいさつに、出演とプロデューサーを兼任したオダギリジョー(50)らと登壇した。
「妖怪、化物をひろう」は、ロシアで実際に起きた出来事を元に、池田暁監督(50)が脚本から手がけた。余は劇中で、見たこともない奇形の赤ん坊ハルを拾い、1度売ろうとするも取り戻し、逃亡生活をするタエを演じた。登壇早々、客席に向かって「本当に、本当に見に来ていただいて。妖怪ババアを演じさせていただきました」と言い、観客を笑わせた。
そして「ハルも一張羅の着物を着てきました」と言い、手にしたハルを掲げた。台湾の金門島で、オールロケで行われた撮影を振り返り「(実景が)目に見えること(ハルの)実体があるから、何も想像しなくても、そこにいるだけで良かった」と振り返った。
生真面目な警官・小宮役とプロデューサーを兼任したオダギリジョー(50)は「面白くて…20年代の日本映画に、まさかこういうタイプの映画を作る方がいらっしゃったのかと。小津映画とジブリ映画を混ぜたような、気持ちの良い映画体験。現代では、作るのは難しくお金がかかる」と作品を評した。その上で、プロデューサーとしての職責について「お金を集めてないし、プロデューサーらしい仕事はしていない。希有な才能を広げるために、僕を使ってもらえれば良かった」と説明した。「珍しいタイプの映画を上映してくれて、うれしい、選んで見に来てくださってありがとうございます。感じたことを、広げていっていただきたい」と、東京国際映画祭と観客にも感謝した。
◆「妖怪、化物をひろう」 12年前の暴風雨で深い傷を負った小さな町で、老女タエ(余貴美子)は焼き団子(ワンズ)を売りながら静かに暮らしている。ある日、岩山のそばの雑木林で見つけた、見たこともない奇形の赤ん坊は団子しか食べず、町の人々は妖怪だと恐れた。タエは人買いに売ろうとするが、思い直して取り戻し、そこから赤ん坊ハルの逃亡生活が始まる。家を追われ、姉の家を訪ね、認知症を患う元夫・文雄(きたろう)と妻菊子(片桐はいり)の家を訪ね、警官の小宮(オダギリジョー)の家に身を寄せながら町をさまよう。ハルの存在を信じようとしない人々は、タエを精神異常者として病院に収容してしまい、必死に逃げ出して帰宅して目にしたのは、息も絶え絶えのハルの姿だった。