25年急逝の片岡亀蔵さんをしのぶ特別企画「もうこの声が聞こえないのが不思議」中村勘九郎
25年11月に64歳で急逝した歌舞伎俳優片岡亀蔵さんをしのぶ「四世片岡亀蔵を囲む会」が13日、「平成中村座 十月大歌舞伎」(東京・浅草寺境内仮設劇場)の特別企画として開催された。
時代物から世話物、新作までジャンルを問わず、幅広い役柄をこなした亀蔵さんは、平成中村座の第1回公演(00年)から出演し、浅草をはじめ、国内外で行われた平成中村座には欠かせない存在だった。
この日は、亀蔵さんの65年歌舞伎座「忠臣蔵」での初舞台から、69年の片岡亀蔵襲名、最後の歌舞伎座出演となった25年「野田版 研辰の討たれ」まで、約50年間を振り返る特別映像が上映された。
座談会には、亀蔵さんと共演してきた中村勘九郎、中村七之助、中村鴈治郎、中村扇雀、中村芝翫、笹野高史が出演し、思い出をたっぷり語った。
勘九郎は「今、上演していた映像の中の亀蔵さんの芝居の声が奈落で聞こえました。もうこの声が聞こえないのが不思議な気持ちです」と言うと、扇雀は「こんな会が開かれること自体が悲しい。それでも二郎ちゃん(=亀蔵さん)のために、しんみりしない会にしたいです」と話した。
舞台上には、劇場前でも観客を迎えた、“ほぼ等身大”の役パネルが置かれた。「唐茄子屋~不思議国之若旦那」の蛙ゲゲコ、「隅田川続俤 法界坊」の番頭正八、「弁天娘女男白浪」の南郷力丸を見ながら、出演者たちは亀蔵さんの思い出をそれぞれ語った。
公私ともに亀蔵さんと交流が深かった笹野は「本当に幸せな俳優、すごい俳優だったと思います。いつか会えたら肩に手を置いて、すごい俳優だったんだな、と声を掛けたい」と話すと、大きな拍手が起こった。
最後は、亀蔵さんが好きだったジャズが流れる中、閉会した。