桂春團治、襲名から8年半「なかなか春團治って名前は難しい」さまざまな思い胸に人情噺披露へ
落語家桂春團治(78)が5日、大阪市内で落語会「春團治の人情噺」(11月13日、天満天神繁昌亭)の取材会に出席した。
毎年恒例の落語会。「角座に出ている春團治を見て噺家(はなしか)になりたいと思ったので、自分が横着なだけというのもあるけど、あまり独演会というものをやりたいとは思わない」。普段の落語会では高座を1席だけにとどめることも多いが、今回は落語作家の小佐田定雄氏がアレンジし、「よくできている。ベタベタしたところがない」と春團治のお気に入りに仕上がった「子はかすがい」など2席を演じる予定だ。「(師匠の)3代目(春團治)の境地までは行かないけど、今は落語をやっていておもしろい」と楽しみにしている。
18年に4代目春團治を襲名、8年半が過ぎた。
「3代目に『大阪落語のために“春團治”という名前を残せ』と言われて、70手前で預かった。『無理です』と言えば良いのに、スケベ心で引き受けたが、初代、2代目、3代目に勝てるわけもない。でも何か形をとなったら、人情噺しかないなと」
「子はかすがい」は初代春團治も演じていたとの記録を見たことがあり、演じてみようと思ったという。
春團治という名前を継ぎ、何かと師匠と比較されることも少なくないが「うちの一門は初代の系統を継ぐもんじゃない」。
当の師匠も「初代と2代目と全然違ったでしょ? 3代目のライバルは(笑福亭)松鶴でも(桂)米朝でもない。初代と2代目がライバル」だったと振り返り、自身については「爆笑王になれるわけやないし、望んでもない。幸い、3代目が初代とは180度違う芸。生き方も人生観も違う。それはありがたい」と語った。
いずれ“5代目”となる後継者については「なかなか跡目というのは難しい。弟子がやってくれたらよろしいんですけど、まだまだ。なかなか春團治って名前は難しい」と複雑な思いを吐露。ある噺家からは「そいつがかわいそうや。名前が重た過ぎて」と言われ、また、別の噺家からは「春團治が10代までできたときに、4代目は代を継ぐだけの値打ち」とも言われたことを明かし、「それはそれでええと思う」と話していた。