【写真】ダンスエンターテインメント「PASSION-北斎の描く夢-」合同取材会に出席した、左からKELO、大貫勇輔、柚希礼音(撮影・川田和博)

大貫勇輔(38)、柚希礼音(47)、KELOがこのほど、都内で行われた、ダンスエンターテインメント「PASSION-北斎の描く夢-」合同取材会に出席した。

同作は葛飾北斎を歴史的偉人ではなく、「なぜ描くのか」という問いを抱えながら死ぬ間際まで創作活動を続けた1人の人間として、「ダンス」「演劇」「音楽」を融合させた新しいスタイルで描く。

大貫は北斎、柚希は北斎を突き動かす「情熱」「理想」、KELOは北斎を取り巻く「世間」「常識」「現実的な価値観」を表現する。

-オファーを受けた際の感想は

大貫 一体どういうものが生まれるんだろうという期待というか、本当に新しいものができるんじゃないかって。キャストを聞いたらこのおふたりで。チラシ撮影の時に確信した。本当に面白いものになるって。葛飾北斎の人生は奇想天外で、知れば知るほど絵に生きた人物なので、その役を自分が演じることができるのは喜びと興奮と感謝しかありません。

柚希 踊りで表現できる場をいただけることが本当にうれしいし、この2人と一緒にできるのが、どんな化学反応が生まれるのかなって。そして、刺激を受けて、どんどん高みを目指していけるんじゃないかなと思っております。葛飾北斎さんを調べると、死ぬまで高みを目指していたので、芸事をやっている私たちにもすごく通ずるものがあると思っています。

KELO 普段はダンスのみのステージが多い世界にいますが、演技も、歌も加わってという舞台が人生で初めてなので楽しみだし、勉強させてもらいながら、自分も何かこの作品に対して与えられたらいいなと思って、誠心誠意取り組んでいきたいと思っています。

-葛飾北斎について、どんなイメージをお持ちでしょうか

大貫 ちょっと前に葛飾北斎展に行った。北斎は生きることが描くことで、描くことが生きることだった。生活と分離していない。僕自身も10代の頃にダンスに夢中になって、生きることと踊りが一緒だった時期があって。だからシンパシーを感じる。そのリンクする部分を表現できたらいいなと思います。

また、劇場が赤レンガ倉庫で、お客さんとの距離も近いし、どこからでも出られる劇場なので、きっとお客さまも一緒にこの舞台の中にいるような演劇になると思います。その新しい体験を皆さんに与えられることができたら最高だなと思うので、そこを目指してやりたい。

柚希 調べれば調べるほど、すごい画家とは思えないような苦労をして、葛藤をして、挫折もしている。いろんなことをして作品を生み出していたと思うとすごく感動するし、簡単にできたものではないことにもより感動するし、それでも満足しなかったことにグッとくるものがある。有名な画家さんと思っていた時よりも、より身近に感じる人間味にあふれる人なんだなと思うと、すごく情熱を演じることがうれしくなっています。

KELO 日本を象徴する偉大な芸術家の死ぬまで理想を追求したその精神を受け継いで、本番日を迎えても公演が終わるまで毎日毎日、どんどんブラッシュアップしていく姿勢を持って、最後まで走り抜きたいと思っています。また、日本のみならず世界へと発展していけるような志で、本気で取り組みたいと思っています。

-皆さんがダンスを始めたきっかけと続けてきたPASSIONは

大貫 母親がダンススタジオをやっていて各地で教えていた。小さい頃から一緒に車に乗ってついて回っていて、7歳の時、大磯からの帰り道で海を眺めていたら突然、「明日からやろう」と思った。大げさに言うと「海から語りかけられた」みたいな。そこからダンスを始めて、10代の言葉にならない感情が渦巻いていた時に、踊りがそれを浄化してくれた。だからダンスに救われたと思っています。ダンスがなかったら、きっと今の僕はなかっただろうなって、救われていたと思います。

柚希 私は子供の頃、一つの習い事を1カ月継続できずに辞めてしまう子だったんです。でもバレエに興味を持って「やりたい」と言ったら、「すぐ辞めるから1年待ちなさい」って。それで1年待ってもやりたかったので、9歳の時にやっとバレエを習えたんですよ。そんなスタートだったので、もう私はバレリーナになるんだって意気込んでいたけど、(身体が)どんどん大きくなって、「これは無理かもしれない」って。家族会議が行われて、「コンクールで3位以内に入れなかったら宝塚を受けなさい」となって宝塚を受けたんです。でも、宝塚に入ったおかげで、肩幅も、大きな手も、何もかもが生きたんです。バレエでは身を縮めて踊っていたけど、全部生きる男役というものに出会えた。宝塚ではいろんなダンスを学ぶことができて、「私はバレエが好きなんじゃなくて、踊ることが好きだったんだ」と知ることができた。芝居や歌を学ぶことによって、ますます踊りの表現が、ただテクニックではなく、心の表現をすることも宝塚で学べた。ずっと続けてきたのは、ゴールがないからというか、自分が「これでOK」というのがないことだと思っています。これは北斎さんとも通じるものがあると思っています。

KELO 中学2年生ぐらいの時に、いろいろとあって不登校になった。その時期に、ダンス部の四つ上の兄がいて、貸し借りしていた1本のビデオテープにダンスの映像があったんです。それを見て始めたいと思って、家の中でモノマネをして、気づいたら今ここにいます。当時はダンサーで食っていくという志もなく、ただひたすら毎日無我夢中に踊っていた。当時は情熱と思ってやっていなかったと思うけど、それが初期衝動で、今ここまで連れてきてくれた。あの頃の周りが見えなくなるぐらい熱中する情熱が、ここまで連れてきてくれたと思います。

-それぞれの役どころと意気込みをお願いします。

大貫 一応台本があって、この部分を踊りで表現し、歌で表現するのかはまだ決まっていません。ただ、今のところ北斎のセリフ量がとんでもない量で! もしこれを全部しゃべるとなると、怖い気持ちでいっぱいなんですけど…(苦笑い)。でも踊り続けて良かった、芝居に挑み続けて良かったと思えるタイミングでこの作品に出会えたことが、僕にとってはある種、運命のように感じています。今まで誰もやってこなかったようなものを葛飾北斎を通して、自分の全人生をかけて作り上げたいと思っています。ダンサーにはできない、俳優にはできない、新しく融合したものをやりたいという気持ち、そんなPASSIONをもって挑みたいです。

柚希 私は情熱の部分を演じさせていただくので、北斎の情熱というものをいろいろ研究しながら、それを体で表現していきたい。「自分が描きたいものを描く」を一生続けていたのはやっぱりすごい情熱だと思うので、そこを表現していくのがすごく楽しみです。

KELO 僕自身の役割が結構抽象的なので、稽古の中で具現化していくと思うので今現在、自分の中ではこれを絶対表現したいというのではなく、日々稽古していく中でライブのように形成されていくものを大事にしたい。北斎さんの情報を入れつつ、自分のダンス感や世界観も入れつつ、新しいものを生み出したいと思っています。

同公演は10月22日~11月3日に横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールで神奈川公演、11月7、8日にサンケイホール プリーゼで大阪公演を行う。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 大貫勇輔×柚希礼音×KELO 3人のPASSIONが融合する新たなエンタメへの思い