【写真】東京国際映画祭が新設する東南アジア映画の特集上映部門「CROSSCUT ASIA+」のプログラマーを務めるラスリーン氏

東京国際映画祭事務局はは7日、10月26日~11月4日まで開催予定の第39回同映画祭で「Nippon Cinema Now」部門に「Nippon Cinema Now作品賞」と「Nippon Cinema Now審査委員特別賞」の2賞を新設すると発表した。

同部門は、海外に紹介したい日本映画という視点で日本映画の「今」を世界に紹介する目的で21年に立ち上げられた。国内外の映画シーンで日本映画への注目が高まる中、新鋭から気鋭の監督まで、まだ見ぬ「新しい日本の才能」をより力強く支援し、世界へ届けていきたいという強い思いから賞を新設したと説明。「審査委員には海外の識者も加え世界の目でも日本の才能を発掘してもらいます。本賞を通じて、日本映画の新たな可能性を世界に向けて羽ばたかせてまいります」とした。

また、国際交流基金(JF)との共催により、東南アジア映画の特集上映部門「CROSSCUT ASIA+(クロスカットアジア・プラス)」を新設置する。同部門は、14~19年に設置した「国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA」の「東南アジアの豊かな映画文化を紹介する」という趣旨を受け継ぎ、この地域と日本の気鋭の映画プログラマーが、独自の視点で設定した毎年異なるテーマに基づき、協働して厳選した作品を上映する新部門。第1回の今回は、インドネシアのジャカルタを拠点に活動する映画プログラマーのラスリーン氏と、東京の名画座・早稲田松竹で、10年から番組編成担当を務め、26年の映画「黒の牛」(蔦哲一朗監督)の脚本を手がけた上田真之氏をプログラマーに迎え、〈Side by Side〉をテーマに、クラシック作品から最新作まで含む6作品を上映する。

さらに、女性映画人を顕彰する「川喜多かしこ映画文化賞」を創設し、第1回は映画評論家の秦早穗子氏(95)に贈賞する。同賞は、公益財団法人川喜多記念映画文化財団により、戦前から戦後にかけて欧州の名作を日本に紹介、フィルム・ライブラリー助成協議会の設立や国立映画アーカイブの前身である東京国立近代美術館フィルムセンターの立ち上げに貢献するなど、日本映画の保存・継承に尽力し「マダム・カワキタ」として東西映画文化の架け橋となった川喜多かしこさんの功績をたたえるもの。「女性による、女性のための顕彰事業」として、日本と海外の映画文化振興に成果をあげた関係者への功労賞の位置付けだ。

秦氏は「川喜多かしこ映画文化賞、第1回にというお話をいただいた時、辞退を決心した」と1度は辞退を考えたとコメント。その上で「かしこ夫人は、戦前・戦後を通して、女たちが参加も許されなかった時代、映画の輸出入、わけても選択に独自の目を持って活躍された。今も続く映画史の1頁であり、女の暦史でもある。ある時、かしこ夫人は、私に囁かれた。『女として、忍耐の場、いろいろありますものね。』実に、意味深い言葉。そのことを、つとにお伝えしたく、賞をいただくことを決意した」と、川喜多かしこさんの思いを伝えたく、翻意したとコメントした。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 東京国際映画祭「Nippon Cinema Now」部門に2賞新設、川喜多かしこ映画文化賞も