歌謡司会業30周年の西寄ひがしが舞台で原作、出演、音響など計9役に挑戦「緊張よりワクワク」
歌謡司会者として30周年を迎えた西寄ひがし(52)が、第1部の芝居で初の原作、出演(4役)、ナレーション、音響、効果音。第2部の歌謡ショーで司会と計9役に挑戦する。
人情喜劇「父娘(おやこ)の演歌道」で、9月8、9日に東京・浅草の木馬亭で計3公演行われる。
曽我廼家寛太郎一座の創立25周年記念と、西寄の30周年記念のスペシャルコラボ企画として実現した。
大阪を舞台に、演歌歌手を目指す娘(特別出演・山口ひろみ)と、腕のいい宮大工で酒好きの父(曽我廼家寛太郎)との笑いと涙の物語である。
西寄は芝居の見どころについて「今にはない昭和の面倒臭さ。でもその面倒臭さが温かい。そして昭和の職人の父の、娘への無償の愛が見どころです」。
西寄は司会業だけでなく、話術の達人としてトークライブも行っている。その中に「西寄語り」という人気コーナーがある。
西寄が出会って感銘を受けた実在の人物の物語を、1人語りで紹介するコーナーだ。
これまで披露してきた12本の「西寄語り」の中に、大阪生まれで、引退した演歌歌手の谷本知美さんと父の実話があった。
今回の人情劇はそれを基に生まれた。西寄は「曽我廼家さんが聞いてくれて、『これ人情喜劇になるで』と言っていただいて。時間はかかりましたが、(お互いの記念年に)やっと実現しました」と喜ぶ。
曽我廼家は、松竹新喜劇の大スター藤山寛美さんに師事し、上方喜劇の王道をいく舞台俳優。自らの座長公演だけでなく、五木ひろし、川中美幸、松平健らの座長公演にも多数出演し、名バイプレーヤーとしても知られている。
かつて西寄と系列事務所だった氷川きよしの座長公演に曽我廼家が出演して、親しくなったという。
西寄にとって初の原作で、曽我廼家が脚色・演出を行う。
当初、谷本さん本人の出演を考えたが、すでに引退しており難しかった。
そこで、同じ大阪生まれの演歌歌手山口ひろみに出演を依頼した。
山口は子供時代に谷本さんと歌で競い合った経験を持つという。歌手を目指し苦労したエピソードも自分に重なると、出演を快諾してくれたという。
西寄は俳優経験はあるが、今回は司会者、町内会会長、人気作曲家、家政婦の4役を演じる。
芸能界に入る前に音響会社に就職した経験があり、音響、効果音、さらには話術を生かしたナレーションも担当する。
2部は山口ひろみの歌謡ショーがあり、そこでは本業の司会を担当する。原作を加えると、実に9役をこなす重責だ。
「(出演者5人の)小演劇って大変ですから。衣装も小道具も全部持ち寄りの私物です。テーブルを出したりの舞台転換も演者がやるんです。緊張というよりワクワクしています」。
司会業やトークライブ、俳優以外に、ラジオのパーソナリティー、作曲、歌手など多岐に活躍する。
今後については「今がとっても楽しいです。すべては司会をさせていただいた歌手の方々など、出会いに感謝です。できることなら、異業種の方に出会っていろいろな話を聞いて、今後に生かしていきたい」と話した。
会場の木馬亭は、12年間トークライブを行っている、いわば本拠地だが、新たな1歩を踏み出す場にもなりそうだ。
【笹森文彦】
◆人情喜劇「父娘(おやこ)の演歌道」(第1部)
▼会場 東京・浅草の木馬亭
▼日時 9月8日(午後6時開演)、同9日(<1>正午開演<2>午後4時開演)。開場は各回開演30分前
▼出演 曽我廼家寛太郎、西寄ひがし、遠藤真理子、田村継(つぐる)、山口ひろみ(特別出演)
▼第2部 山口ひろみミニ歌謡ショー
▼料金 前売り5500円、当日6000円