中村鶴松、3年ぶり自主公演に向け「よしやってやる」も、勘九郎の言葉を明かし苦笑
歌舞伎俳優中村鶴松(30)が25日、都内で、自主公演「鶴明会」(9月18~19日、東京・浅草公会堂)の取材会に出席した。
3年ぶりの自主公演で、「仮名手本忠臣蔵」の「五段目」「六段目」の早野勘平をつとめるほか、故中村勘三郎さんから勘九郎に受け継がれた舞踊「雨乞狐」に挑戦する。
鶴松は「やりたいものトップ2を選んだ」と話し、勘平については、3月に中村屋を引っ張る勘九郎が演じた舞台を見て刺激を受けたとし「おいそれとやりたいと言えるものではなかったですが、勘九郎の兄の勘平を見て、よしやってやると思いました。超えるくらいの勘平を作り上げたいと今のところは思ってます。(設定上)実年齢に近いので、熱のある、ちょっとリアルさを追求したい」と話した。
「雨乞狐」は、ダイナミックな動きが特徴的な舞踊で、体力的レベルが非常に高い。06年に勘九郎は、同演目出演中に膝の靱帯(じんたい)を切ってしまった。鶴松は「『雨乞狐』は勘三郎さんと勘九郎の兄しかやってない。勘九郎の兄はもうやらないと言っているので、次やるのは(勘九郎の息子たちの)勘太郎君くんか、長三郎君なので、それまではやり続けたい」と、中村屋ゆかりの演目を守っていきたい気持ちを語った。
大きな演目2つをそろえたことついての勘九郎の反応を聞かれ「ばかだな、と言われました」と笑っていた。
即完した前回の自主公演から3年たち、鶴松は「2回目はいつなのと? と聞かれ続けた。1回や2回で終わらせるのではなく、ルーティンワークにしたい」と見据えた。