【悼む】中山麻理さん、“近寄りがたい美貌の女優”のイメージとは真逆の気さくで常識人な人柄
TBS系連続ドラマ「サインはV」、映画「限りなく透明に近いブルー」などで活躍した女優中山麻理さんが、今月12日に都内の病院で亡くなった。77歳だった。関係者によると、昨年暮れに体調を壊して入院。闘病を続けていたが、最期は3人の息子たちに見守られて息を引き取ったという。通夜、葬儀は既に近親者のみで執り行われた。
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ドラマや映画でその美しさを満天下に示した中山麻理さんが、亡くなった。子供の頃の“近寄りがたい美貌の女優”のイメージとは逆に、伝えられるのは気さくで常識人の人柄だった。
三田村邦彦との離婚後、末っ子の麻聖が成人して母親卒業を宣言するまでは「芸能一家に育ったからと世間から浮いてはいけない」と厳しく育てた。あいさつや礼儀を徹底し、鉛筆も短くなるまで使い切らせた。
母親卒業後は米ニューヨークへ1人旅。安宿に泊まり若者と朝まで踊り明かすなどアグレッシブに生きた。英語は全く話せないというが、大ファンのラファエル・ナダル応援のためテニスの全米オープンに1人で駆けつけたこともある。女優として、母として、そして1人の女性として思い切り生き抜いた人生だった。ご冥福をお祈りいたします。【小谷野俊哉】