映画「室井慎次」のトークショーを行った、左から本広克行監督、柳葉敏郎、亀山千広プロデューサー

俳優柳葉敏郎(64)が19日、東京・台場のフジテレビで、昨年公開された主演映画「室井慎次 敗れざる者」「室井慎次 生き続ける者」のBlu-ray、DVD発売記念トークショー「真夏の合同捜査会議」に出席した。本広克行監督(60)亀山千広プロデューサー(69)とともに、映画の裏側を振り返った。

同作は警察庁長官官房審議官を退官した、柳葉演じる室井慎次が主人公。定年前に早期退職して地元の秋田に帰ったが事件に巻き込まれる。1997年(平9)1月期の連続ドラマから始まった織田裕二(57)主演の「踊る大捜査線」シリーズのスピンオフ作品。同シリーズは何度もスペシャルドラマとして放送され、98年からは映画が4本公開された。来年は14年ぶりとなる「踊る大捜査線N.E.W.」の公開が予定されている。

柳葉は「もう室井慎次とは関わらないと思ったんですけど、やらせてもらってます」。本広監督が「一番びっくりしたのは、柳葉さんがBlu-rayを持っていない事です。Blu-rayの器械を持っていない」。

6月にBSフジ社長を退任して、同社のコンテンツアドバイザーに就任した亀山プロデューサーはエプロン姿で登場。柳葉が出演中のフジテレビ系連続ドラマ「明日は、もっといい日になる」(月曜午後9時)で演じている、児童相談所の保育士・南野丞(ジョー)の着けているかわいいエプロンだ。「『明日は、もっといい日になる』のジョーのエプロン、ジョーのお兄さんのジョニーでございます」と笑った。そして「あまりに伸び伸びやられているので、室井の時のつらそうだったのはなんだったのかと思う」と振り返った。

映画「室井慎次」2作品について、柳葉は「やってくれてありがとうという声が、ほとんど。ご存じのようにやる気のなかった仕事ですから。やってよかった」。室井慎次を演じたのは、12年の映画「踊る大捜査線THE FINAL新たなる希望」以来12年ぶりだった。「最初のシーンで30~40メートル歩くシーン。その時にふと、室井ってどう歩いてたんだろうって。だんだん、背中がつってくる。この12年間、どんだけ楽に歩いていたんだろう。室井って全身に力が入っていたから」。

本広監督は「柳葉さんと亀山さんが大げんかしていました。やる、やらないでののしり合っていました」。亀山プロデューサーは「首を縦に振るまでに1年半くらいかかりました。でも、衣装合わせでコートを着た瞬間にこいつしかいないと思いました」。柳葉は「実は僕の仲人なんで、ちょっと恩返ししとかなきゃと」。亀山プロデューサーは「そして生まれた娘さんが映画『室井慎次』を見て『お父さんやってくれてありがとう』と言ってくれた話を聞いたときは涙が出た。柳葉敏郎に感謝したい」と話した。

柳葉は「僕は室井と知り合って、柳葉敏郎という人間形成に大きな糧があったと思います。室井慎次という、ある種、親友みたいな存在の考え方ややり方をいいと思うことも、違うと思うことも。だから室井と知り合って、かなり柳葉敏郎の人生観の糧になった。僕は本当にそう思っています。室井と(織田裕二演じる)青島(刑事)の関係を見て警察官になりましたという人を、7、8人知っています。糧になっているかと思うとありがたい」と話した。

来年公開の「踊る大捜査線N.E.W.」について「室井慎次 生き続ける者」のラストで室井が亡くなったことから、柳葉は「俺はもう永眠だもんな~。ほんと人ごとなんですけど、次作はすごくいい話なんですよ」。

亀山プロデューサーは「今、最終稿に近い。そろそろ、キャスティングを固めていこうと思っている。室井慎次さんが亡くなっていることは確か。もしかして、青島のデスクの上に……」。本広監督は「ちっちゃい室井を出そうかな。青島君の心の中には生きているから」と笑った。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 柳葉敏郎「俺はもう永眠だもんな~」本広克行監督、亀山千広Pと映画「室井慎次」トークショー