遠野なぎこさん(2015年6月撮影)

女優遠野なぎこ(とおの・なぎこ、本名青木秋美=あおき・あきみ)さんが死去していたことが17日、分かった。本人ブログが更新され、親族が明かした。45歳だった。警視庁の捜査関係者によると7月3日に都内の自宅で遺体が発見され、身元の確認を進めていた。現場の状況などから事件性はなく、事故による急逝だという。葬儀は今後、近親者のみで行う予定。

   ◇   ◇   ◇

遠野さんをめぐっては、それまでSNSなどを連日更新し、自身の近況や料理、愛猫についてつづっていたが、6月27日に途絶えていた。今月に入り、一部で遠野さんの自宅から遺体が見つかったことが報じられ、SNSを中心に心配の声が広がっていた。

捜査関係者などによると、3日午後3時10分ごろ、関係者から「部屋に来たが、鍵がかかっていて中に入れない」と110番があった。捜査員が室内で遺体を発見。腐敗しており警察がDNA型の鑑定を進めていた。外傷や、外部から侵入された形跡はなく、玄関も施錠中で物色された痕跡もないため、事件性はないと見ている。

遠野さんの親族は17日に本人ブログを更新する形で訃報を明らかにした。「このたび、遠野なぎこが永眠いたしましたことをご報告申し上げます」とつづり「故人の名誉のため、死因についてもご説明申し上げます。現在、警察の見解によりますと、事故によるものであり、自死ではございません。故人は、生前も大切な愛猫のために日々懸命に生きておりました。どうか、皆さまにおかれましても、その想いをご理解いただけますと幸いです」と伝えた。

愛猫も無事に保護されていること、葬儀は近親者で執り行う予定であることも明かし「突然のことで、関係者の皆さまにはご心配とご迷惑をおかけいたしますこと、深くおわび申し上げます。故人は俳優業に真摯(しんし)に向き合い、さまざまな困難と闘いながら懸命に生き抜いてまいりました。その姿を、私たち親族一同、深く尊敬し、心から誇りに思っております」と結んだ。

遠野さんは、99年NHK連続テレビ小説「すずらん」でヒロインを演じ、ドラマやバラエティー番組などで幅広く活躍。私生活では幼少期に両親に虐待を受け、3度の結婚や不倫を繰り返すなどした母親の姿などが原因で摂食障害や人格崩壊となったことを告白。自傷行為経験があることを明かしたこともあった。遠野さん自身も09年から3度の結婚を経験したが、いずれも離婚。23年2月の3度目の結婚はわずか2週間で別れていた。

○…27日に更新したブログでは、訪問看護の契約をしたことを報告。「そりゃあ少しだけ複雑だけど。お世話になる事が決まって、良かったんだ。愁くんを守る為にも。少し心が軽くなった気がする」と愛猫「愁くん」への思いを明かし「あたしゃ、まだまだ生きるぞ」ととづっていた。また、生前最後となったブログのエントリーでは「鶏肉の照り焼き」と題した料理動画をアップ。最後には「じゃあ、皆さんゆっくり休んでね、バイバイ」と呼びかけピースサインをした手を映した。

◆遠野(とおの)なぎこ 本名・青木秋美(あおき・あきみ)。1979年(昭54)11月22日生まれ、神奈川県出身。小学生のころから子役としてCM、ドラマに出演。映画「おこげ」(92年)「お引越し」(93年)に出演後、95年NHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」で注目を集めた。99年NHK連続テレビ小説「すずらん」では、ヒロイン常盤萌を演じた。05年フジ系昼の連続ドラマ「冬の輪舞」の悲劇のヒロインでも話題に。01年の映画「日本の黒い夏-冤罪」で好演し、日本映画批評家協会新人賞を受賞。10年5月から「遠野凪子」から現芸名に変えて活動していた。当初は芸能事務所に所属していたが、昨年秋ごろからフリー状態となったことをブログなどで明かしていた。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 遠野なぎこさん死去、45歳「事故によるものであり、自死ではございません」親族明かす