笠井信輔アナ、古巣フジテレビの検証番組の作り方に疑問、出演拒否の日枝久氏らにも言及
元フジテレビアナウンサーの笠井信輔氏(62)が、13日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」(日曜午後1時30分)に出演。フジテレビが6日に放送した、元タレント中居正広氏(52)と元女性社員を巡る一連のトラブルを検証する特番「検証 フジテレビ問題 ~反省と再生・改革~」について言及した。
笠井アナは「(フジテレビが公表した)第三者委員会の報告書を読んでいない人が、あの番組を見て、『こういうことだったのか』というのは、わかりやすくできていた」と評価する一方、「フジテレビがどこを誤ったかということに関して極めて重要だった編成局長だとか、中居さんと向きあっていた社員だとか、そういう人がまったく出てこなかったということは残念」とも話した。
今回の騒動で表に出ることがなく、検証番組からの3回の出演オファーも断った元取締役相談役の日枝久氏については「日枝さんが出てこなかったことに関しても、なんて言うのかな、会社の今後のことを考えて、少し身を切るようなお考えがあっても良かった」と語った。
検証番組では、被害女性に寄り添った佐々木恭子アナウンサーも出演。笠井アナはこれまで、週刊誌に「被害女性の訴えを握りつぶしたフジテレビの3悪人」と報じられた佐々木アナの名誉回復を訴えてきた。
番組MCの黒木千晶アナから「ずっと気にされていた佐々木アナウンサーが、ああいう形でご出演されて思いを話されたのは大きいんじゃないですか」と聞かれると、「いや、佐々木アナウンサーに関して言えば、週刊文春で『3悪人の1人』として名前と写真が公表されました。実際に第三者委員会は佐々木アナウンサーは、ひとり被害に遭ったアナウンサーと向きあうことになって、向きあっていてもその事情も聞かれないし、会社がどういう方針かも分からない。蚊帳の外に置かれた。しかも、専門家がいない中で、もしかしたら命を絶ってしまうかもしれないという、これは会社における佐々木アナに対する人権侵害の可能性が高いとまで第三者委員会は報告書に書いていた」とした。
その上で「そのことは触れずに、佐々木さんもああやって聞かれれば、反省の言葉しか出てこない。見ている人は、『やっぱり佐々木さんもいろいろと反省している人の中の1人なんだな』と。最後にナレーションで『彼女は処分されませんでした』って言っても、テレビって印象だから、そこは何でそういう番組にしたんだろう」と疑問を呈した。
さらに「一番きつい、つらい、大変だったのは被害を受けた女性アナウンサーということは間違いない。そこを考えた上で、ああいう形で番組をまとめた、そして、いろんな人を名指しで出しましたけど、なぜ制作者のプロデューサーやディレクターの名前が最後、クレジットされないのか。そこは出したほうが良かったんじゃないか」と、番組制作者の責任を明確にしなかったことも指摘した。
また、笠井アナは「番組中、性加害とか性被害という第三者委員会の報告書にあった言葉が一切、使われず、人権侵害問題という言葉に置き換えられていたのは、中居さんサイドからのアプローチ、訴えをフジテレビ側は意識しているんだなと思いました」とも指摘。「これで一件落着だとか、片が付いたと誰も思っていない。フジテレビの中でも。先日異動があったんですけど、ほぼ全社員に異動の辞令が出た。それほど大きく組織改革があって、いろんなところで会議が始まってどうするんだと。そこはOBとしては信じたい」と古巣の再生を願っていた。