米お騒がせラッパー、オーストラリアのビザ取り消し ヒトラー称賛楽曲リリース
米お騒がせラッパーのカニエ・ウェスト(48)が、5月にナチス・ドイツの独裁者ヒトラーを称賛する反ユダヤ主義的な楽曲「Heil Hitler」をリリースしたことを受け、オーストラリアのビザ(査証)を取り消されたことが明らかになった。
ウェストの妻で建築家のビアンカ・センソリさんは同国出身で家族はメルボルンに住んでおり、ウェストもたびたび滞在していた。
同国の移民・市民権担当バーク内相が国営放送ABCの取材に応じたもので、「長い間、同国を訪問し、家族もいる」と前置きをした上で、「彼は多くの不快な発言をしており、ヒトラーの曲をリリースした際に当局が再調査したところ、オーストラリアの有効なビザを失っている」とコメント。「この国にはすでに十分な問題があるのに、わざわざ偏見を持ち込む必要はない」と理由を語った。
ウェストは同国でツアーを行うためのビザを取得していなかったものの、反ユダヤ主義を宣伝することは「重要な一線を超える」と判断したことを認め、「ナチズムを宣伝する曲を出すのなら、オーストラリアにはそんなものは必要ない」と述べている。
SNSでの反ユダヤ主義的な発言が物議を醸してきたウェストは、「私はナチスだ」「ヒトラーが大好き」などと投稿したこともある。また、今年2月にはナチスの鉤十字をあしらった白いTシャツも販売してネットを炎上させている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)