岡田奈々45年ぶりステージで生歌披露へ「大丈夫ですかね」9月「俺たちの旅」50周年公演出演
女優岡田奈々(66)が、9月に開催される「The 50th Anniversary 俺たちの旅 スペシャルコンサート」で、45年ぶりにステージで生歌を披露する。
1975年(昭50)10月から日本テレビ系で1年間放送された連続ドラマ「俺たちの旅」の50周年を記念したコンサートで、共演者の中村雅俊(74)秋野太作(82)田中健(74)、そして主題歌を作詞・作曲したシンガー^・ソングライター小椋佳(81)とともに歌声を披露する。【小谷野俊哉】
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岡田は75年にNET(現テレビ朝日)「うしろの正面」で女優、「ひとりごと」でアイドル歌手デビューした。同年10月から始まった「俺たちの-」は三流私大生のカースケ(中村)とオメダ(田中)、カースケの先輩のグズ六(秋野)の青春物語。岡田はオメダの妹の真弓を演じた。76年には劇中歌として使われた「青春の坂道」がヒットした。
「私は5年間、アイドル歌手をやらせていただきました。その後は、もうプツッと歌ってなかったので、本当に久しぶりにステージに立たせていただくんです。だから、やらせていただいていいのか、声が出るのかと。歌いたい気持ちはものすごくあるんですよ。大丈夫ですかね」
来年1月には中村が監督を務める映画「五十年目の俺たちの旅」が公開。既に撮影を終えている。
「4人で、そろって会ったのは今回の映画の話が持ち上がった去年の秋ごろでしたね。秋野さんとは、30年スペシャルのドラマ以来でしたから20年ぶり以上。中村さんと田中さんは、2年前に『俺たちの旅』のDVD発売の発表会見で20年ぶりに会っていました。まあ50年ですから、外見は私も含めてそれなりに年を取りました。でも、人としては全然変わっていなくて。すぐ打ち解けちゃって、盛り上がってます」
「俺たちの旅」は東京・吉祥寺を舞台に青春模様を描いた。
「私はドラマの前の年まで、岐阜に住んでいました。放送が始まった頃は、本当の高校生で16歳になるところでした。ずっと青春ドラマを見てきて、こういうドラマに出たいなって憧れがあって、声をかけていただいたので本当にうれしかったですね」
74年に日本テレビ系「われら青春!」に主演して本格デビューした中村は、挿入歌の「ふれあい」が120万枚超の大ヒットとなり“歌う青春スター”の地位を確立していた。
「私とは年齢がちょっと離れてる、8歳年上のお兄さんでした。中村さんが50周年で、私も同じようにアイドル歌手デビューから50周年を迎えて、お芝居もやらせていただいています。でも、中村さんは全然気取らない方で、本当にいつ会っても明るくて楽しい方です。全く変わらないんですよ」
映画「五十年目の俺たちの旅」で、中村は監督も務めた。
「本当に普段通りでした。監督としては、影でものすごく努力なさってるんです。撮影現場も、同じ場所に何回も足を運んで、自分の中でカット割りを完璧にする。でも、そういう大変さを表に出さないで、本番寸前まで冗談を言ってたり、昔話をしているんです。本番になって、いきなり切り変わって素晴らしいですよ」
岡田の兄役のナイーブな青年、オメダを演じたのが田中だった。
「タイプ的には中村さんとは違うんですけど、健さんも本当に優しいし、明るい。さっぱりした方で表裏なく、本当にいろいろなことをお話ししてくださいます。お芝居だけでなく、音楽のことも」
秋野は駄目なサラリーマンだが、女性にモテモテの先輩グズ六役。
「グズ六先輩は面白いですよ。ずっと冗談言ってますよね。ドラマの役そのもので、普段現場にいてもボソボソッとおかしいこと言うので。すごい人なんだなと。お芝居も1つずつ、ものすごくこだわっていらっしゃって、笑わせてくださいます」
4人そろっても、男の3人の輪の中には入れない。
「『俺たちの旅』の、この3人は特別だと思うんですよね。私はドラマの中では女子高生だったので、ちょっとその中に入り込めなくて。でも、今回は歌もやらせていただきますし、本当に50周年続けて来られてよかったなと思います」
ステージで歌う曲を決めながら、練習を積んでいる。
「まだステージの台本も上がっていませんけど、何を歌うんでしょうね。私はアイドル歌手活動をしていた5年間で、あまりコンサートとかはしてないんです。シングルとかLP(アルバム)はたくさん出してるんですけど、自分の持ち歌しか歌ってなかったんです。『俺たちの旅』挿入歌になった『青春の坂道は』は、特別に作っていただいた放送回がありまして、中村さんに恋をしちゃう話でした。歌詞の『君』を『あなた』に変えて歌いました」
74年にNET「あなたをスターに」で優勝。そこから芸能界入りした。
「その前に岐阜の柳瀬を歩いてまして、スカウトされました。レコード店のサイン会のキャンペーンをボーッと見ていたら、声をかけられました。ちょうど同世代の中3トリオ(森昌子、桜田淳子、山口百恵)が活躍していたので、憧れはありました。だけど、自分から何かするっていうのはありませんでした」
岐阜で生まれ育った少女は、1年後にはドラマに出て、アイドル歌手として歌っていた。
「自然の多いところで育ったんですが、スカウトをされてすぐに東京に出て来たんです。最初に森田健作さんとグリコ『アーモンドチョコレート』のCM撮影をしたんです。その後にオーディション番組の『あなたをスターに!』に出させていただきました。それからドラマのヒロイン、女優を決めていただいて、最後に歌手デビューなんです。当時は、本当に忙しかったですね」
昭和、平成、令和と時代は巡った。元AKB48の歌手で女優の岡田奈々(27)が若者たちに人気だ。
「会ったことないんですよ。でも、検索すると、まだ若い方だなと。最近は自分も『昭和の岡田奈々』って言われたりします(笑い)。でも、やっぱりデビュー当時から応援してくださる方がいらっしゃるんです。女優だと、直接会う機会はなかなかないんですけど、お手紙で『ずっと応援してます』と書いてあるとうれしいですね。9月のコンサートも頑張ります」
▼「The 50th Anniversary 俺たちの旅 スペシャルコンサート」 ▽9月16日大阪・オリックス劇場▽同18日 福岡市民ホール▽同24日 東京・昭和女子大人見記念講堂▽同27日 東京・武蔵野市民文化会館▽同30日 宮城・仙台サンプラザホール。
◆岡田奈々(おかだ・なな)1959年(昭34)2月12日、岐阜市生まれ。74年にNET(現テレビ朝日)「あなたをスターに!」で優勝。75年日本テレビ「うしろの正面」で女優、「ひとりごと」で歌手デビュー。75~76年日本テレビ「俺たちの旅」。76年シングル「青春の坂道」、映画「青春の構図」でエランドール新人賞。78~79年日本テレビ「ゆうひが丘の総理大臣」。82年映画「あゝ野麦峠」。84年NHK大河「山河燃ゆ」。84~85年TBS「スクール☆ウォーズ」。87年映画「塀の中のプレイボール」。93年映画「ゲンセンカン主人」。2015年(平27)映画「恋」。163センチ。血液型0。