第27回上海映画祭で審査員特別賞を受賞した「夏の砂の上」の、左から玉田真也監督、オダギリジョー、高石あかり

オダギリジョー(49)が主演と共同プロデューサーを務めた映画「夏の砂の上」(玉田真也監督、7月4日公開)が、21日に中国で開催された第27回上海映画祭クロージングセレモニーで審査員特別賞を受賞した。邦画の受賞は、2002年(平14)の「リリイ・シュシュのすべて」(岩井俊二監督)以来23年ぶり2度目となる。

オダギリと、劇中でめいを演じた高石あかり(22)と玉田真也監督は、受賞が発表された壇上で喜びを分かち合った。司会から祝福された玉田監督は「大変、光栄です。オダギリさん、高石さんの演技が土台になってこそいただけた賞」と感謝し、オダギリも、「本当にうれしい。ありがとうございます」と喜んだ。

オダギリは、授賞式後の会見で「海外で日本の作品が選ばれるというのは、ちゃんと伝わっているんだなと安心になるし、(映画作りを)これからも頑張っていこうという活力になります」と、改めて喜びをかみしめた。プロデュース作品が海外の国際映画祭で受賞したのは初めてで「よくよく振り返ると、自分は今回プロデューサーの立場でもあるので改めてうれしいです」と笑みを浮かべた。

「夏の砂の上」は、劇作家・演出家の松田正隆氏の読売文学賞戯曲・シナリオ賞受賞作を、演劇ユニット「玉田企画」を率いる玉田監督が、脚本も手がけて映画化。オダギリは、5歳の息子を亡くした喪失感から人生の時間が止まった小浦治を演じた。父の愛を知らずに育ち、治と共同生活する17歳のめい優子を演じた高石は、海外の映画祭に初参加。「自分の俳優人生にとってすごく大切な作品。まずは日本の方に届けていきたい」と喜んだ。玉田監督も「ずっと念願だった企画。考えられる限りの最高の出演者に集まっていただいてベストを尽くした作品のひとつの結果が出て、うれしい」と喜んだ。

悲しみを共有し、ともにに再スタートすることができない治への「静かな怒り」を秘めた妻恵子を松たか子(48)が演じる。高石演じる優子を預け、男の元に走る治の妹阿佐子を満島ひかり(39)、優子のバイト先の先輩で、好意を寄せる立山を高橋文哉(24)治が働いていた造船所の同僚・陣野をフォークシンガーの森山直太朗(49)同じく同僚の持田を光石研(63)が演じる。篠原ゆき子(44)も出演する。

◆「夏の砂の上」 雨が一滴も降らない、からからに乾いた夏の長崎。小浦治(オダギリジョー)は、5歳の息子を亡くした喪失感から妻恵子(松たか子)と別居中で、働いていた造船所がつぶれても新しい職を探さず、ふらふらしていた。そんな治の前に、妹の阿佐子(満島ひかり)が娘の優子(高石あかり)を連れて訪ねてくる。阿佐子は、1人で福岡の男の元へ行くためしばらく優子を預かってくれという。こうして突然、治とめいの優子との同居生活が始まる。

※高石あかりの高は、はしごだか

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 オダギリジョー「プロデューサーでもあるのでうれしい」主演映画が邦画23年ぶり上海映画祭受賞