映画「還暦高校生」金八先生の“腐ったミカン”直江喜一は会社員と俳優の二刀流/連載3
俳優ひかる一平(61)が、27日公開の映画「還暦高校生」(河崎実監督)に主演する。1980年(昭55)から81年にかけて放送された、TBS系の連続ドラマ「3年B組金八先生2」でも共演した直江喜一(62)とも44年ぶりの共演だ。2人に聞いてみた。
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直江はサラリーマンと俳優の“二刀流”。
直江「結構、やらせてもらってますよね。バラエティーで、よく話題にしてもらっているので。映画、ドラマに、オリジナルビデオの『日本統一』シリーズだとか。サラリーマン生活の仕事かたわら、最近はおかげさまで芸能生活もだんだん充実して来ました。なんかポツポツと話が来るんで、スケジュール的に合わなくてNGを出す時もありますけどね。毎回、会社に兼業申請っていうのを出してます」
映画「還暦高校生」で、ひかるは詰め襟の学生服姿を披露している。
ひかる「久しぶりに着ましたね。僕たちの頃から、高校はブレザーの時代になってましたからね。中学生の時、それこそ『金八2』の時以来かな。僕の高校は堀越学園でブレザーですよ。堀越では、今回共演している森井信好が同級生でした。僕らの時代は以外と堀越が少なかったんですよ。活躍していたのは上に川崎麻世さん、下に堀ちえみさんくらいでした」
直江は『金八2』で中学3年生を演じながら、実際は高校3年生だった。
直江「『金八』ってちょうど受験の追い込み時期の10月から翌年の3月までの放送だったんです。受験の子は大変でした。俺は高3で撮影をやっていて『金八2』にどっぷり行っちゃったから、大学も何もっていうぐらいで終わって、プ~太郎になっちゃうみたいな(笑い)」
注目を集めた「金八2」も終わり、大学進学もしなかった直江は俳優業に専念する。
直江「『金八2』の後は、俳優の仕事がなくなりました。だけど、TBSのプロデューサーさんからいただいた仕事で3カ月命をつなぎまして。(『金八2』の同時間帯のライバルだった日本テレビ『太陽にほえろ』の山さん、山村刑事役だった)露口茂さん主演の『父母の誤算』に出演させてもらいました。翌年には同じ『誤算』シリーズで『親と子の誤算』に出演しました。『金八』シリーズの小山内美江子さんの脚本でした。それで出させてもらって、しばらくはそんな感じでアルバイトをしながら役者をやっていました」
アルバイトをしながらの俳優生活を10年間続けた。
直江「役者を10年やって、就職しました。29歳になっていました。このままどうしようかなとと考えたんだけど、子供がちょうど小学校に上がるぐらいだったんで。結婚は22歳にしました。それで、子供が小学生になるのに、このままやって行っていいんだろうかと。やっぱり、男の30歳っていうのは1つの起点で、そのまま行くか、やめるか、どうするか思う時ですね。その時に、ずっとアルバイトしてた土建屋さんの現場の監督が言ってくれたんです。仕事っぷり見てもらっていて『君だったらやれるんじゃないかな。監督もやれるよ』と。普通の高校を卒業して、建築の学校も出てないけど、この際だからやろうかなと」
(続く)
◆ひかる一平(いっぺい)1964年(昭39)5月11日、東京都生まれ。79年ジャニーズ事務所入り。80年TBS系「3年B組金八先生」第2シリーズの椎野一役で俳優デビュー。81年「青空オンリー・ユー」で歌手デビュー。82~87年テレビ朝日系「必殺」シリーズ。12年(平24)に子役プロダクション「スカイアイ・プロデュース」を設立して代表就任。19年から東邦音大非常勤講師。趣味は野球観戦。172センチ。血液型O。
◆直江喜一(なおえ・きいち)1963年(昭38)1月8日、東京都生まれ。75年劇団「こまどり」入団。79年TBS「3年B組金八先生」で俳優デビュー。80年TBS「3年B組金八先生」第2シリーズで加藤優役を演じ「腐ったミカンの方程式」でブレーク。81年「悲しきティーン・エイジャー」でかゆデビュー。87年映画「星の牧場」。92年(平4)に芸能界を引退して建設業界に就職。15年(平27)NHK朝ドラ「まれ」。164センチ。血液型O。