脚本家ジェームス三木さん死去、91歳 「独眼竜政宗」「澪つくし」など多くのヒット作手がける
NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」など多くのヒット作を手がけた脚本家のジェームス三木(じぇーむす・みき、本名山下清泉=やました・きよもと)さんが死去したことが18日分かった。91歳。旧満州(中国東北部)生まれ。
三木さんは1934年、旧満州の奉天(瀋陽)で生まれた。終戦後に大阪に引き揚げ、高校卒業後に俳優座養成所入り。だが俳優としては限界を悟り、55年にテイチクレコードの新人コンクールに合格を機に、歌手に転向も下積み生活が長かった。
67年にシナリオコンクールで入賞したのを機に脚本家に転じ、映画監督の野村芳太郎氏に師事。舞台演出、映画監督、小説、エッセーなども手がけた。
80年代以降は人気テレビドラマの脚本を多数執筆。NHK大河ドラマでは87年「独眼竜政宗」のほか、95年「八代将軍 吉宗」、00年「葵 徳川三代」の脚本を担当。特に山岡荘八の歴史小説が原作の「独眼竜政宗」は、渡辺謙が主演して大ヒット。現在も大河史上1位の高視聴率を獲得した。NHK連続テレビ小説では、85年に沢口靖子の出世作となった「澪(みお)つくし」を担当。これも最高視聴率55%を記録し、純愛ブームを巻き起こした。
◆ジェームス三木(みき)1934年(昭9)6月10日、旧満州の奉天(瀋陽)生まれ。大阪府立市岡高校を経て、劇団俳優座養成所に入所。55年にテイチク新人コンクールに合格し、13年の歌手生活を送った。67年に「月刊シナリオ」コンクール入選を機に、脚本家となる。NHK大河ドラマでは87年「独眼竜政宗」のほか、95年「八代将軍 吉宗」、00年「葵 徳川三代」の脚本を担当。映画では「さらば夏の光よ」「ふりむけば愛」、テレビドラマでは82年のNHK「けものみち」、86年のNHK連続テレビ小説「澪つくし」などヒット作の脚本も手がけた。趣味はアマ4段の将棋。