阪急阪神HD株主総会、宝塚音楽学校受験資格や宝塚歌劇団法人化が「いじめの原因に」との意見も
阪急阪神ホールディングス(HD)株式会社の定時株主総会が17日、大阪市の梅田芸術劇場で行われた。株主からは7月1日に株式会社化される宝塚歌劇団への意見も乱れ飛んだ。
劇団では23年9月末に、宙組団員が急死した問題を巡り、西宮労働基準監督署(兵庫県)から是正勧告を受け、再発防止に向けた改革を行ってきた。改革の一環として、透明性の高い組織運営を行うため、劇団は阪急電鉄が100%出資する「株式会社宝塚歌劇団」への移行を進めている。
ある男性株主から、タカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校の受験資格が「受験時に中学卒業あるいは高等学校卒業または高等学校在学中の方」とあるのは、いじめの原因になるとして、「高卒後2年間にすべき」との提案がなされた。
また、宝塚歌劇団が株式会社化し利益追求することで、ハードスケジュールとなり、これもいじめの原因になるとの意見があった。
株式会社化の人事について、女性役員が少ないことや宝塚歌劇団の村上浩爾理事長が株式会社の社長に就くことに疑問の声も上がった。
これに対し、嶋田泰夫阪急阪神HD社長兼グループCEOは「スケジュールにかなり余裕を持たせる中で、現場の劇団員の意見も聞きながら、今のスケジュールがいいのか、負担軽減できるようすすめている。いたずらに利益を負い、劇団員の負担になるようなことをするつもりはない」と説明。株式会社化についても「ガバナンスも含め、さまざまな知見を持つ方に就任いただいた」とし、宝塚歌劇団は阪急電鉄の100%子会社であり、阪急電鉄側からも「ガバナンスを効かせる」などと回答した。