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フランスで開催中の世界3大映画祭の1つ、第78回カンヌ映画祭の監督週間に出品された映画「見はらし世代」(団塚唯我監督、今秋公開)の製作スタッフが17日、カンヌ市内で倒れたヤシの木の下敷きになり、負傷した。映画を共同製作したシグロと大手芸能事務所レプロエンタテインメントは19日、文書を発表。俳優陣をエスコートしていたレプロエンタテインメントの製作プロデューサーが負傷し、鼻および体の一部を骨折したが「幸いにも意識ははっきりしており、現在は状態も安定しております」と報告した。

両社は、まず事故の状況を説明した。

「事故は、現地時間2025年5月17日(土)お昼頃、映画祭が主催する監督週間の公式イベントに向かうため、クロワゼット通りビーチ沿いの歩道を移動中に発生しました。俳優陣をエスコートしていたレプロエンタテインメントの製作プロデューサーが、突然倒れてきた高さ数メートルのヤシの木の下敷きになり、不慮の事故に至りました」

負傷した製作プロデューサーの現状も明らかにした。

「負傷した製作プロデューサーはすぐに病院に救急搬送され、医師による診断の結果、鼻および身体の一部に骨折が認められましたが、幸いにも意識ははっきりしており、現在は状態も安定しております。今後は、引き続き医師の指導のもと治療と回復に専念する予定です」

「見はらし世代」は、俳優黒崎煌代(くろさき・こうだい=22)の初主演映画で、団塚唯我監督がオリジナル脚本も手がけた長編デビュー作。監督週間はフランス監督協会が主催し、カンヌ映画祭に併設して開催される独立部門。これまで大島渚、北野武、黒沢清、三池崇史、諏訪敦彦、河瀬直美、橋口亮輔、西川美和の各監督ら、日本を代表する監督の作品が出品、上映されてきた。26歳の団塚唯我監督は、日本人最年少での監督作出品となった。

16日に黒崎と団塚監督が登壇した、世界初上映となるワールドプレミア上映には800人以上の観客で満席となり、上映後には約7分間のスタンディングオベーションが起きた。監督週間は独立部門のため通常、カンヌ映画祭メイン会場のレッドカーペットを歩くことはないが、現地では作品の評価も高く、カンヌ映画祭側からの招待を受け、18日には黒崎、木竜、団塚監督が同映画祭のレッドカーペットを歩いた。

両社は「なお、現時点において、主催者や現地行政からの正式な事故報告は受けておりませんので、本日時点でご報告させていただける事実は上記の通りです。カンヌ映画祭は現在も開催中であり、多くの来場者が行き交う場所で起きた事故であることから、今後、本件のような事故が発生しないよう、原因の早期究明と再発防止を願っております」とした。

◆「見はらし世代」 蓮(黒崎煌代)は、幼い頃に母由美子(井川遥)を亡くしたことを契機に、ランドスケープデザイナーの父初(遠藤憲一)とすっかり疎遠になった。成長し、再開発が進む東京・渋谷で胡蝶蘭の配送運転手として働いていたある日、配達中に初と再会。そのことを話すも、我関せずといった様子で黙々と自分の結婚の準備を進める姉恵美(木竜麻生)…そんな状態の中で、蓮は家族の距離を測り直そうとする物語。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 黒崎煌代主演カンヌ映画祭監督週間出品の製作Pが倒木ヤシの木の下敷きになり鼻と体の一部を骨折