桂あやめ、6月に繁昌亭で2つ落語会 人間国宝や嘉門タツオ参戦、万博イジりも
落語家桂あやめ(61)が、大阪市の天満天神繁昌亭で2つの会を開く。6月6日の「あやめの会」では浪曲界初の人間国宝となった京山幸枝若を招いて、浪曲と落語を融合。6月9日「ロックの日」には、毎年月亭遊方と開いてきた「繁昌亭ロックフェスティバル」を開催し、嘉門タツオが繁昌亭初参加する。
あやめの会には幸枝若がゲスト出演する。3月に行われた「5代目林家小染 一周忌追善落語会」の際、幸枝若と久しぶりに話す機会があり、出演が決定。浪曲はもちろん、トークショーで人間国宝誕生秘話を披露したり、幸枝若が組んでいた音曲ユニット「寿限無ショー」を林家染雀、林家愛染、林家染八、桂米輝、京山幸太による「ネオ寿限無ショー」として再現する。
あやめ自身は古典と新作の落語を演じる。古典の演目は、師匠の5代目桂文枝も演じていた「三枚起請」。
「師匠もやっていたのを自分風にして。大河ドラマの『べらぼう』とかを見て、遊女の噺をしたいと。最後のシーンで、遊女は人をだますって看板を上げてるけど、私らは私らで大変というのが出せれば」
一方、新作は「万博ディスりネタみたいになるんですけど、『ネオ人間洗濯機』というのを。『ミライ人間洗濯機』っていうのが注目されてるけど、あれ、ただのミラバスやんって、東大阪にありそうな小さな会社がうちらの技術で作ろうっていう噺(はなし)を作った。万博の時期やし」。落語家らしく時事ネタと風刺をきっちり織り込む。
大阪・関西万博ネタは「ロックフェスティバル」でも演じる。こちらは「ミャクミャク噺」。
万博公式キャラクターのミャクミャクを取り上げ、「今人気になってますけど、万博が終わったらどうなるねんと。ミャクミャクっていうのは大阪湾にいる生き物で、着ぐるみを着せられてるけど、実はベイエリアのスイートルームに住んでる。おとんと細胞分裂でできた息子2人がおって、万博終わったら放り出されて消されるかもしれないから、老後を考えるという噺」。ゲストの嘉門が大の万博好きだけに、どんな反応をするかも見物だ。
その嘉門は繁昌亭初出演となる。もともと、落語家だったが、笑福亭鶴光から破門された過去があるため、本人も繁昌亭の舞台に上がることを気にしていたという。そこで、遊方が鶴光に断りを入れに行き、あっさりと快諾してもらったことで出演がかなった。
あやめは「落語家時代の話もちょっとしてくれるかもしれないし、よその世界から落語をどう思ってるか聞きたい」と、歌だけではなくトークにも期待している。