役所広司「孤狼の血」で音尾琢真のイチモツから真珠えぐる拷問シーンの裏側明かす
役所広司(69)が18日、東京・丸の内TOEIで、同館の閉館プロジェクト「さよなら丸の内TOEI」の一環として行われた2018年(平30)の映画「孤狼の血」(白石和弥監督)上映後舞台あいさつに登壇した。劇中で、役所演じる呉原東署の“マル暴”刑事・大上章吾巡査部長が、音尾琢真(49)演じる暴力団の構成員・吉田滋の股間をわしづかみにし、イチモツに入れている自慢の「真珠」をナイフでえぐり出す、拷問を加えたシーンの裏側に話が及んだ。
「孤狼の血」は作家・柚月裕子氏の同名小説を映画化した。暴力団対策法が成立する直前の1988年(昭63)の、広島の架空の都市・呉原を舞台に、役所が演じた大上と松坂桃李(36)が演じた広島県警本部から赴任した大学出のエリート刑事・日岡秀一刑事がコンビを組み、広島の巨大組織・五十子会系の「加古村組」と地場の暴力団「尾谷組」との抗争、報復合戦の収拾、解決に奔走する姿を描いた。
トークの中で、司会のフリーアナウンサー笠井信輔(62)から「あそこは原作にない。柚月先生は女性だから、書くわけがない。あれは誰のアイデア?」と、イチモツに入れた真珠をナイフでえぐり出す拷問シーンについて質問が出た。白石和彌監督が、脚本の池上純哉氏のアイデアだと明かすと、役所は「音尾君が、かわいそうですけど…緻密に特殊メーク、造形の人が作っていた」と、イチモツは作られていたと振り返った。
笠井が「恐らく玉袋がアップになった、日本で唯一の映画だと思うんですが、切る時の手は役所さんの手ですか?」と聞いた。役所は「作ってあるんですよ、真珠が(イチモツに)こういう風に入っているんだと初めて知りました」と、造形のイチモツを手に、実際に芝居をしたと明かすと、場内の各所から笑いが起きた。
白石監督は「あそこは全員に反対されました。『撮っても絶対、映倫で通らないよ』と言われました。僕は、あそこまでデカくして、よく分からなくすれば大丈夫だと思った」と当時を振り返った。結果的には、当該シーンは本編に入り、同監督は「これは大成功。映倫さんとも、すごく仲が良いんで」と、してやったりの笑みを浮かべた。
丸の内TOEIは、1960年(昭35)9月20日に、東映本社の東映会館の落成とともに丸の内東映と洋画封切館・丸の内東映パラスとして開館。04年10月には現行の丸の内TOEIに名称統一し2スクリーンを構える。そして24年5月15日、東映会館の老朽化を理由に、今夏をめどに再開発することを発表。今年1月16日に同所で開催した東映ラインナップ発表会で、正式な閉館日(最終営業日)を7月27日とし、最後の直営館として約65年の歴史に幕を下ろすことを発表した。そして9日から「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクト上映がスタート。閉館日の7月27日までの80日間にわたって、数々の傑作特集上映に加え、劇場を活用した各種イベントも実施する。