粗品「泣けた」2歳で母亡くした18歳男性の手紙に涙、高3で父と死別の自身投影「もしおけ!」
お笑いコンビ、霜降り明星の粗品(32)が11日放送のNHK総合「もしおけ! もしオーケストラが“私の人生”を演奏したら」にプレゼンターとして出演。「泣けた」と語る一幕があった。
同番組のコンセプトは「日本を代表するオーケストラが主人公の特別な瞬間のためにサプライズで生演奏を届ける」。今回は16年前、胃がんにより45歳で母を亡くしてしまった京都在住の一家、18歳三男が主人公。男手一つで3兄弟を育ててくれた父とは現在2人暮らし。その父と産んでくれた母に感謝を伝えるために今企画が実現した。
粗品はサプライズで18歳三男と27歳長男と対面。三男から「(母は)2歳ぐらいで亡くなった」と聞かされ、粗品は「正直、物心ついた時にはもうお父さんだけだった?」と質問。三男は「(母は)仏壇の写真しか分からなかった」と回想した。
長男は昨年9月に結婚。結婚式で流す用のビデオを探していたところ、父から「故障していて映像が流れない」と伝えられていたテープを発見したという。長男は「たまたま実家で動かしてみたら、動いて。親父もびっくりして。(母の)映像を見て。こんな声やったなと」と目に涙をためて振り返った。
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その映像には長男の野球を応援する母の声などが刻まれていた。粗品は2人と一緒にその映像を見て「これヤバいな。これヤバいぞ」と声を上げ、自身のことについて語り始めた。「自分も学生時代に父ちゃんが死んでんねん。俺は高3やったけど。母ちゃんと2人になって。途中から片親になる。なぁ。間違いなく今の自分の同世代の友達よりいろんな経験してるやろうし。何かちょっと感じるとこあるなぁ」としみじみ語った。
三男は父と母に感謝を伝えるため、手紙を書くことを決意。ただ書き始めるとうまく書けず、現在も家族ぐるみで親交がある母の同僚の話を聞きに行った。そこで「決めたことはビシッとやる人」「妥協を許さない」「笑ったらよく似てる」など母にまつわる言葉をもらい、手紙をしたためることができた。
粗品はサプライズを仕掛けるために奔走した。新フィルハーモニー交響楽団と相談。家族の思い出の地である京都・鴨川沿いの公園で演奏してもらうことを提案し、家族を迎える曲と三男が手紙を読むときの曲も決めた。
サプライズ当日は楽団28人が現地でスタンバイ。留学帰りの22歳次男も合流して、鴨川沿いで父の到着を待った。粗品は16年間、弁当をつくり続けて3兄弟を育てた父に「大変でしたか」と質問。父は「今思ったら全部笑い話ですけどね、大変だけど、やらないと仕方がないし、周りの方が心配されましたね」と気丈に語った。
サプライズ本番で父が登場。まずはパッヘルベル「カノン」が演奏された。そして三男はラベルの「亡き王女のパヴァーヌ」をバックに父へ感謝の手紙を読んだ。「改めてお父さんとお母さんから生まれてきてよかったと思いました」「僕がなりたい理想のお父さんです。ほんまにこんな僕を今まで育ててくれてありがとう。これから少しずつ恩返ししていきます」「お母さんもこれからも家族のことを見守っていてください」などとつづられていた。
その間、粗品はまばたきを繰り返し、涙をこらえている姿が映し出された。父は「涙は流しますけど、妻の涙でもあるのかなと。会いたいなと思う時は会いたいなって思ってる。多分これはお母さんの涙」と言葉をつむいだ。そして最後にチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」の演奏で締めくくられた。
VTRを終え、スタジオの粗品は「オーケストラの演奏を聴くだけで泣けたんで。感動しましたね。自然と拍手も巻き起こってて。すてきな空間だと思いました」と締めくくった。