嵐のメンバー。前列左から櫻井翔、松本潤、後列左から二宮和也、相葉雅紀、大野智

20年末から活動を休止していた嵐が、来春に開催するコンサートツアーに向けて再始動し、同ツアーをもって来年5月に解散することを6日、ファンクラブサイトなどで発表した。再びステージに立った後、5人で終止符を打つ。

活動再開も、解散も、5人が何度も話し合って出した結論だった。嵐の動向は業界内でも大きな関心事で、昨年11月のデビュー25周年前後にライブを開催するのでは、といううわさも浮いては消えた。特に20年末以来1度も表舞台に登場していないリーダー大野智(44)の復帰は全くの未知数、と話すテレビ局関係者もいた。同関係者は「嵐の再始動は大野さんの気持ち次第、と言ってもいいくらいでした」と説明した。

新事務所STARTO ENTERTAINMENTへの移籍や一部メンバーの独立、エージェント契約や、グループとしての新会社設立など、揺れ動く日々が続いた。それでも大野を含めて5人がツアー開催を決めた一番の要因は、やはりファンの存在だった。活動休止後もファンクラブは継続し、希望するファンが登録を続けていた。コンテンツは会報誌の発行などに限られていたが、今でも多くのファンが待っている。休止時、明確に活動再開を約束したわけではなかったが、親しい関係者は「ファンクラブが続いている以上、会員のために一度は活動再開しなければ、という思いがあったんだと思います」と推測した。

活動休止前からメンバーたちは「嵐は5人で嵐」と強調してきた。一度歩みを止めたアイドルグループが、オリジナルメンバー構成のまま再びライブを開催するのは容易なことではない。休止するのも5人、再開するのも5人、解散するのも5人。5人でのコミュニケーションを続け、何よりもファンを優先する嵐だからこそ実現した、締めくくりの形だった。【横山慧】

◆嵐活動休止後の動き◆

▼20年12月31日 グループとしての活動を休止

▼21年11月3日 初のライブ・フィルム「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM“Record of Memories”」のドルビーシネマ限定先行舞台あいさつに相葉、松本、二宮、櫻井が登壇

▼23年10月 二宮が退所し独立

▼24年4月10日、SMILE-UP.からSTARTO ENTERTAINMENTに移籍。同日、メンバー5人連名で新会社「株式会社嵐」設立を発表

▼同5月 松本が退所し独立

▼同11月3日 25周年企画の一環として、ライブDVD12作をブルーレイ化し11月3日に発売。また10周年ライブの映像を全国の劇場で計505回上演する「フィルムコンサートツアー」をスタート。全MVをYouTubeチャンネルで公開し、SNSで感謝のメッセージを投稿

◆嵐5人の近況◆

▼相葉雅紀 テレビ朝日系「相葉マナブ」などバラエティーでMCを務め、22年上演の「ようこそ、ミナト先生」で12年ぶり舞台出演、昨年11月公開の「PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX」でアニメ映画の声優に初挑戦。

▼大野智 実質芸能活動休止中。

▼櫻井翔 日本テレビ「news zero」で月曜キャスターを務め、ドラマやバラエティーでも活躍中。23年からは個人初の展覧会「櫻井翔 未来への言葉展 SHO SAKURAI:WORDS FOR THE FUTURE」も開催。

▼二宮和也 23年TBS系「VIVANT」やフジテレビ系「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」などのドラマや、22年「ラーゲリより愛を込めて」などの映画に多数出演。YouTubeチャンネル「よにのちゃんねる」でも活動中。

▼松本潤 23年NHK大河ドラマ「どうする家康」主演。昨年7月から上演のNODA・MAP第27回公演「正三角関係」に出演し、ロンドンでもステージに立った。4月に行われたSnow Manの国立競技場ライブでは監修も。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 【解説】嵐なぜ容易でない「解散ツアー」決断 5人が何よりもファンを優先した締めくくりの形