【こんな人】辛坊治郎氏、やしきたかじんさん相手に絶妙な手綱さばき
読売テレビの元アナウンサーで現在はフリーで活動中の辛坊治郎氏(69)が早ければ9月末をもってテレビ、ラジオから身を引くことが18日、わかった。ニッポン放送「辛坊治郎ズーム そこまで言うか!」(月~木曜午後3時30分)との調整次第で、来年3月まで継続する可能性もある。辛坊氏は今後、新たな仕事依頼を受けることはないと言い、「引退」という言葉は「有名芸能人やスポーツ選手のためにある」と主張。「俺の場合は早期退職」とした。“らしい”表現を使った辛坊氏とは-。
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読売テレビ在籍時代、辛坊さんは大きな功績を残した。一番は夕方放送の「ニューススクランブル」(1990年4月スタート)キャスターとして激戦の時間帯で、同番組を堂々の視聴率1位に押し上げたこと。辛坊さんが登場する前は他局に大きく水をあけられていたが、分かりやすいニュース解説と親しみやすいキャラクターが視聴者に支持された。
「たかじんのそこまで言って委員会」は、よりエンタメ色の濃い番組だったが、メイン司会やしきたかじんさんと、三宅久之さんはじめ個性強めのコメンテーターの間に入って、絶妙な手綱さばきを見せていた。
「す・またん!」が番組スタートした当時、辛坊さんは50代だったが、生放送中に勢い余ってセットを破壊することもあった。
おちゃめなおじさんであり、硬軟どんなニュースでも自在にさばき、分かりやすく伝える力は抜群だった。
長い間、記者として取材を続けていると「この人、めちゃ賢い!」と圧倒されることがしばしばあった。辛坊さんは、その1人。話を聞いていると、知識の豊富さや強烈な好奇心に驚かされた。【三宅敏】