「すさまじい争い起こる」フジ新経営陣選びめぐり加谷珪一氏「額面通りではない熾烈な工作続く」
経済評論家加谷珪一氏が18日、TBS系「ひるおび」(月~金曜午前10時25分)に出演。「物言う株主」として知られる米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが、フジテレビの親会社「フジ・メディア・ホールディングス」(FMH)の取締役候補として提案した12人の1人、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長が17日に開いた記者会見に言及し、6月の株主総会に向け「どっちが何票とれるか、すさまじい争いが起こる」と語った。
新経営陣をめぐっては、フジ側、ダルトン側の思惑が交錯している。主導権をめぐり、今後は、株保有率も絡んだ勢力争いも本格化することが予想される。加谷氏は「株式市場でプロキシーファイト、委任状争奪戦という言葉がある。両方がうちに付いてくれと、工作を、熾烈(しれつ)な工作が6月まで行われます」と語った。
この予想される勢力争いについて、上地裕輔は「総裁選みたいですね」と、自民党総裁選に例えて、これから始まる権力争いに例えた。
一方、村上ファンドが株を買い増しているとの情報もあり、北尾氏も「常識として、たぶん臨総(臨時株主総会)を求めるんじゃないか」との見解を示している。
加谷氏は「フジ側とダルトン側はここを(6月の株主総会)関ケ原にして着地点にしたいんですけど、村上ファンドは今、何も言っていないんですよね。不気味なぐらい黙っていて、3月を超えた時点で株を買い増していることが分かった。金融屋からすると、別の狙いがあるんだろうなと。北尾さんはそれを警戒している」と解説。「突然、臨時株主総会の提案を出してきて、自分たちはこういう経営陣にしてほしいと急に言ってくるかもしれない」と解説した。
ダルトン側、フジ側、村上ファンド、さらに北尾氏の思惑も入り乱れる展開が今後続くことになる。加谷氏は「北尾さんご自身の野心、SBIとしての野心もある。永田町の世界と同じで、基本的には額面通りには受け取らないほうがよくて、裏にどんな狙いがあるんだろうなと探り合いながらみなさん動いていくという世界です」とまとめた。