ミセス大森元貴とタイムレス菊池風磨W主演の大どんでん返し 「#真相をお話しします」
生配信の暴露チャンネルを題材にした作品に、Mrs.GREEN APPLEの大森元貴と、新メンバー加入で注目のtimelesz菊池風磨という勢いのある2人がダブル主演した。
「#真相をお話しします」(25日公開)は、文字通り今を映している。
警備員の桐山(菊池)は勤務先のビル警備室で生配信番組「#真相をお話しします」に見入っている。そこでは管理人(岡山天音)がアバターとして匿名性を確保した参加者の中からスピーカーを選び、その人しか知らない「事件の真相」を語らせる。
興味をひけば視聴者から投げ銭が飛び、スピーカーは暴露と引き換えに百万単位の実益を得ていく。
やさぐれ感の強い桐山には多額の借金があり、スピーカーに選ばれて一獲千金を夢見ている。
必死にモニターを見つめる桐山のもとに友人の鈴木(大森)が差し入れを持って現れる。表情豊かに歌う大森は喜怒哀楽を封じると謎めいた感じになる。感情を隠しきれない桐山とのコントラストが浮き上がる。主演2人の役者心を感じる。
選ばれたスピーカーが明かす真相は、どれにも裏の裏があり、いつの間にか参加者の1人のように引き込まれる。
一方で、かつて一世を風靡(ふうび)した伝説のYouTubeチャンネルが折々、紹介される。無人島で無邪気に生活する子どもたちを追ったもので、このチャンネルはある日突然終了したことで、当時さまざまな臆測を呼んだ。管理人は参加者が一定数を超えれば、この真相が暴露されることを予告しており、この日の配信は「神回」的な様相を帯びてくる。
そんな中で桐山がスピーカーに指名される。彼が明かす真相とは。そして、彼を励まし続けていた鈴木の態度が微妙に変化していく。やがて、2人の関係と正体が明らかになる。
原作は結城真一郎氏の短編小説集。メガホンはホラーから恋愛作品まで幅広く手がける豊島圭介監督で、仕掛けだらけの作品を巧みに織り上げた。終盤の畳み掛けが、年配の身にはちょっと急すぎる気がしたが、これも今風のテンポなのだろう。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)