【日本アカデミー賞】吉岡里帆「正体」で初の最優秀助演女優賞、能登からリモート参加で口押さえ
<第48回日本アカデミー賞授賞式>◇14日◇東京・グランドプリンスホテル新高輪
吉岡里帆(32)が「正体」で最優秀助演女優賞を受賞した。20年の第43回は「見えない目撃者」「パラレルワールド・ラブストーリー」で新人俳優賞、23年の第46回は「ハケンアニメ!」で優秀主演女優賞を受賞したが、日本アカデミー賞での最優秀賞受賞は初めて。
吉岡はこの日、石川県七尾市の能登演劇堂で上演中の舞台「まつとおね」に出演中のため会場に来ることがかなわず、リモートで参加した。受賞発表時にスクリーンに映し出されると、思わず口を押さえた。「今、つながっているんですね。すごい…いや、ごめんなさい。ビックリしすぎて。そうか…ありがとうございます。とても、うれしいです」と戸惑いと喜びが入り交じった、生々しいスピーチを口にした。
吉岡は「正体」で、優秀主演男優賞を受章した横浜流星(28)が演じた、死刑判決を受け、逃走を続ける殺人事件の容疑者・鏑木慶一の無実を信じる安藤沙耶香を演じた。「この作品は、私の人生において、とても、とても重要な作品」と感謝した。
映画への深い思いも口にした。「エキストラで出させていただいた映画が、この世界に入ったきっかけ。たくさんの、たくさんのスタッフが動かれているのに感動した」と、まず自身が芸能界に身を投じたきっかけが映画であると明かした。その上で「全員が心から、いい作品を作りたいと思って一致団結して、手を取り合った時、ものすごい力を発揮する映画に、自分も携わっていきたいし、見る方としても大事」と口にした。
さらに「七尾市で、ごあいさつさせていただいていますけど、お茶の間の気持ちで、笑顔になって、私も(受賞した作品を)見て感動したと思った」と、リモートで見守った授賞式の感想を語った。そして「映像は、離れていても、時代を超えて残していく。(映画を)見ていただいた方のパワーになるよう精進しています。大きい映像で失礼します。藤井組に出会えて、私は幸せです」と感謝した。
吉岡に代わって、優秀監督賞受賞の藤井道人(38)がブロンズを受け取った。藤井監督からは「吉岡さん、おめでとうございます、この役で、吉岡さんと出会えて幸せ。また、面白い作品を作っていきましょう」と祝福された。