秋元康氏プロデュース劇団の「安倍乙」覚えてください! 17年から活動の「劇団4ドル50セント」
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秋元康氏が総合プロデュースする劇団4ドル50セントの安倍乙(おと=25)が、3日からTELASAで配信中の連続ドラマ「きみは面倒な婚約者」に出演している。22年以来のテレビドラマ出演で、あざとい新入社員を演じる。作品の見どころとともに、昨年1年間出演した「仮面ライダーガッチャード」での成長や、劇団への思いを語った。【野見山拓樹】
■結構悩みました
椎野翠原作で、紙と電子合わせて200万部突破の人気恋愛コミックがドラマ化する。安倍は22年のテレビ朝日系「あざとくて何が悪いの?」内の「あざと連ドラ」以来の恋愛ドラマ出演となる。
「原作は出演が決まってから読みました。キュンキュンしたラブコメなのかと思ったらちょっと過激で、一筋縄ではいかない恋愛模様が面白いと思いました」
老舗洋菓子メーカー「加治屋フーズ」を舞台に、FANTASTICS堀夏喜(27)演じる橘はじめ、田辺桃子(26)演じる加治屋紫乃、安倍演じる花澤優衣の三角関係を描く。新入社員の優衣は橘に一目ぼれ、婚約を結んでいる紫乃から橘を引き裂こうと、あざとくかき乱す。
「今までは自分と近いキャラクターの、等身大の役が多かったので、あんまりぶりっ子な役はやったことがなかった。(あざといしぐさは)全然やったことがなくて、『あざといってなんだろう…?』ってなるほど結構悩みました。橘の後ろをちょこちょこっとけなげについて行く感じとか上目遣いとか、身長差を生かしたあざとテクをたくさん勉強しました」
■「私と近しい部分」
優衣はてきぱきとした、仕事ができるキャラクター。自身との共通点は「負けん気が強いところとか諦めない精神力とかは私と近しい部分がある」としつつ、「私は優衣とは違ってしっかりしていないので…」と笑いながら明かした。
「コンビニに自転車で行ったんですけど、帰りに自転車を忘れてそのまま歩いて帰ってきたり、そういうことをしちゃうんですよね。めっちゃ忘れっぽくて、忘れ物も全然したりするので、ちょっと抜けているところがあります」
■「どこまでが計算」
主役の2人を引き裂くライバルキャラクターだが、「嫌われすぎてもよくないので、いいあんばいで演じることを考えました」と語った。“シゴデキ”であざとい優衣の、憎みきれない絶妙なキャラクターに注目だ。
「普通婚約者がいる相手を自ら引き裂こうなんて思わないじゃないですか? だから結構憎らしいというか、視聴者から嫌われるような女の子だと思っていました。でも憎めるようで憎みきれない、すごくお気に入りのキャラクターになりました。私が婚約者カップルにどう関わっていくか、どうかき乱していくか、というところに注目してほしいです。花澤優衣は結構計算して行動する部分も多いので、どこまでが計算でどこからがナチュラルなのかにも注目して見ていただきたいと思います」
■「表情で演技する」
昨年はテレビ朝日系「仮面ライダーガッチャード」に出演。1年間同じ役を演じることで、役者として大きく成長したと明かした。
「同じ役に年間を通して真摯(しんし)に向き合えて成長できました。共演者からお芝居のアドバイスをいただいて、自分のお芝居の引き出しが広がったと思います。結構天真らんまんなキャラクターで、表情で演技するシーンもめちゃくちゃ出てきたので、元々得意ではありましたけど、表情を作ることについてはかなり鍛えられました。1年間経験できたのはすごく貴重だったし、自分にとってすごく財産になりました」
■関西弁使い分ける
演じた銀杏蓮華(いちょう・れんげ)は、関西出身の錬金術師。安倍自身も関西出身で、慣れ親しんだ関西弁での演技も楽しんだ。
「結構『そんなに関西弁しゃべれるんだね』みたいに言われることも多かったですけど、子どものころからずっと関西弁だったんですよね。東京に来て舞台に出るようになった時に、『演じるうえで違和感を感じるから直した方がいい』と事務所の方に言われて、そこから使い分けるようになりました。自然に使い分けられるようになりました」
1年間、リフレッシュ法やリラックス法を模索し、“サ活”を始めたことも明かした。
「お姉ちゃんが結構サウナ好きで、サウナにはあまり興味はなかったですけど、土曜日になったら一緒に行ったりしました。10分サウナに入って、シャワーを浴びて、水風呂に1分入って、椅子で整う、みたいな感じで5セットやっています。結構いろんなサウナに行っています」
■「今年は舞台を」
充実の1年を終え、「ロスがすごい」と寂しさをにじませたが、「メンバーとめぐりあえたことだったり、スタッフさんや監督さんたちと出会えたことはすごく財産になりました」と振り返った。1年間、役者として成長を遂げ、再び所属する「劇団4ドル50セント」の活動に戻る。
「この1年は個人活動がメインで、私をきっかけに劇団のことも知ってもらえたらいいなと思ってやってきたし、劇団4ドル50セントの安倍乙として覚えてもらいたかった。劇団のファンの方もこの1年自分を見てくださって、やっぱりファンの方に直接会えるのはうれしいので、また劇団として活動して、ファンのみなさんの前でお芝居できる機会を設けられたらと思います。今年は舞台をやろうという話はちらほらあるので、実現すると思います!」
今年の安倍乙は、仮面ライダーを通じて大きく成長した姿を、映像で、そしてステージで見せる。
■グラビアでも注目
◆安倍乙(あべ・おと)2000年(平12)1月18日生まれ。大阪府出身。17年に秋元康氏が総合プロデュースする劇団4ドル50セントのオーディションで、約5000人から選ばれ1期生としてデビュー。グラビアでも注目を浴び、多くの雑誌の表紙を飾った。23年9月からは「仮面ライダーガッチャード」に銀杏蓮華役で出演。身長156センチ。