トランプ大統領がイーロン・マスク氏の足にキスするニセ動画がテレビに映し出される騒ぎ起きる
トランプ米大統領(78)が、自身の政権で「政府効率化省(DOGE)」を率いる実業家イーロン・マスク氏(53)の足にキスをする偽動画が24日、米ワシントンにある住宅都市開発省(HUD)本部内の複数のテレビ画面に映し出される騒ぎが起きた。
米ニューヨーク・ポスト紙などが報じたもので、「Long Live The Real King(真の王に万歳)」の文字と共に映し出された映像は、マスク氏の足が両方とも左足であることなどから人工知能(AI)を用いたものであるとみられている。
匿名の職員がオンラインメディアWiredに語ったところによると、職員が各テレビの電源を手動でオフにするまでの間、見るに堪えない映像が複数箇所のモニターで再生され続けていたという。このいたずらを行った犯人がハッカーなのか、別の人物なのかは不明だが、動画は昨年からX(旧ツイッター)に出回っていたものだったと報じられている。
騒動は連邦政府職員のリストラを進めるマスク氏が、政府内で過大な権限が与えられていることが非難される中で起きた。解雇ラッシュが連邦政府を揺るがす中、DOGEはHUDの職員を半減させる可能性を検討していると先週報じられたばかりで、4000人の職員が解雇される見通しだと伝えられている。
一部民主党議員や左派評論家の間では、大きな権力を手にいれたマスク氏を「マスク大統領」と呼んでいるとニューヨーク・ポスト紙は伝えており、Xでは「すべての英雄がマントを着ているわけではない(誰もがスーパーマンのような格好をしているわけではなく、目立たないが英雄的な活躍をする人もいるという意味)」などと動画を称賛する声が上がっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)