北大路欣也「SHOGUN 将軍」たたえ「次へ」 主演「三屋清左衛門残日録」9弾制作明かす
北大路欣也が25日、東京・丸の内TOEIで行われた時代劇専門チャンネル「三屋清左衛門残日録 春を待つこころ」舞台あいさつ付き特別上映に登壇。2日前の23日に82歳の誕生日を迎えたことを受け、劇中で息子の嫁を演じた優香(44)から花束を贈られ「僕だけ、こんなお花をもらって、申し訳ないなと思います」と恐縮した。
「三屋清左衛門残日録-」は、時代劇専門チャンネルを運営する日本映画放送とJCOMが共同で制作した、北大路主演の藤沢周平原作の大人気オリジナ時代劇シリーズ最新第8作。2016年(平28)に第1作が制作され、年に1本のペースで作品が作られてきた。北大路は、前藩主用人の職を退き、隠居した三屋清左衛門を、優香は里江を演じた。
この日、舞台あいさつが行われた丸の内TOEIは、1960年(昭35)9月20日に完成し、営業を続けてきたが、東映本社も兼ねる東映会館の再開発に伴い、7月27日に閉館。約65年の歴史に幕を下ろす。北大路の父市川右太衛門さんは、片岡千恵蔵さん、中村(萬屋)錦之介さんとともに東映時代劇のスターだった。北大路は「皆さんのお支えで第8作を迎えました。私がデビューさせていただいたのが56年。会館が建ったのは60年。先人の情熱で作られた会館で千恵蔵先生、父、錦之介さんが立ったステージの端であいさつさせていただいた」と感慨深げに振り返った。
北大路は前日24日(現地時間23日)、米ロサンゼルスで行われた第31回SAG(全米映画俳優組合)賞授賞式で、ドラマ部門で真田の日本人初の男優賞を含む4冠を獲得した、真田広之(64)が制作・主演を務めた「SHOGUN 将軍」についても言及。「時代劇が見直され話題になっている『SHOGUN 将軍』という響きを聞くと…米国でいろいろな賞を取った。日本で支えてこられた知恵を、真田さんが米国に持っていき、結集した。何十年も苦労されたと聞いた。真田さんの人間力」と、最大限の賛辞を送った。
そして「第2部を撮られると聞く。日本だけの楽しみが世界に広がった。温かい雰囲気を感じている。私たちも次の作品へ扉を開く」と「三屋清左衛門残日録-」第9弾の撮影へ準備を進めていると明かした。
この日は、藤岡真威人(21)大友花恋(25)清左衛門親友の町奉行・佐伯熊太を演じた伊東四朗(87)も登壇した。
◆「三屋清左衛門残日録 春を待つこころ」ある秋の日。中根道場では、御前試合の前稽古に励む青年剣士・窪井信次郎(藤岡真威人)の剣技に、みな目を奪われていた。しかし御前試合当日、信次郎は、ライバル岩上勝之進(大貫勇輔)との決勝戦に臨むも惨敗してしまう。信次郎は遠藤派重鎮の息子、勝之進は朝田派重鎮の息子。試合の結果は派閥争いにも影を落とす。自暴自棄となり道場にも通わなくなった信次郎を、清左衛門は野歩きに誘う。山道を歩く途中で信次郎は、小さな社で祈りをささげる巫女照日(大友花恋)に心を奪われる。最初は警戒していた照日も毎日のように会いに来る信次郎に次第に打ち解け、互いに心を通わせていった。しかしある冬の日、社が何者かに襲われ、照日は姿を消してしまう。照日を思い奔走する信次郎の姿に心をうたれ、事件の裏に潜む謎を解き明かそうと動き出す清左衛門。闇の思惑に翻弄される若き恋を守ることはできるのかー。