春風亭鯉づむ、瀧川鯉丸、立川幸之進が真打昇進会見「栄養たっぷりの落語家で」
春風亭鯉づむ(50)、瀧川鯉丸(37)立川幸之進(45)が21日、都内で落語芸術協会の真打昇進披露記者会見を行った。
瀧川鯉津から名をあらためる鯉づむは自身の特徴について「古典もやる新作もやります。昇進しましたので新作もペースを上げてボリュームある形でやっていきたい」と意気込んだ。趣味はプロレスとマージャンで「そうしたものを生かしたイベントもやっていきたい」と話した。
鯉丸は「ふわっと来た方に人生そんなに肩を張らなくてもいいんだなとそうした思いに少しでもなっていただけたら」と落語への思いを語った。「私は一発で盛り上げることはできませんが、ぜひ一席聞いていただいて、明日からまた頑張ろうと、滋養を喚起するような、栄養たっぷりの落語家でいきたい」と力を込めた。
幸之進は年一度ペースで行ってきた地元島根県での公演を増やしていく意向を示し「交通手段がいろいろ大変だったりしますが、頑張りたい。島根も今、雪が大変ですが、寒いところも耐え忍んでいただいて。両親にもやる際にはぜひ来ていただいて」と語った。
鯉づむと鯉丸の師匠である瀧川鯉昇は「うちは招きはしますがそこからは自分の責任。落語が嫌いになったらやめてくれというそれだけの条件です。ここからいつ離れていくかもわからない懸念も持っていますが、ここでスタートラインに並ぶところでひとつの責任は一区切りかな。そんな印象です」といい、鯉づむについては「高齢は気にしたんですけど、若いころから鯉づむは落語に近いところで仕事をしていたのでいろんな人の落語が体のどこかに張り付いているかなと。そういう安心、期待は持っていました」と評した。
鯉丸については「すごく真面目な印象のまま。ひょっとしたら業界のそこに向かないかなという懸念はしていましたが、それは2カ月くらいで払拭された。いい先輩にも恵まれました」と話した。
幸之進の師匠の立川談幸師匠は「04年入門ですが、03年ごろから私の出る会とかにちょくちょく来ていて、よく客席で見る顔でした。ひんぱんにきてくれたので、うちに来たときは驚きもしなかったです。私も彼も父親が警察官で、何でうちにしたのと聞いたら同じ父が警察だったからと。他の理由はありませんと言われてショックを受けたのを覚えています」と笑いを誘った。
幸之進は落語研究会所属などの経験もなく、まっさらな状態で入門した。「ハンディはあったかもしれませんが、落語を見たり聞いたりしているうちに自分の居場所を見つけた。そういう気持ちを忘れずに素直に落語に取り組んでもらえたらなと思います」とエールを送った。
会見には落語技術協会の春風亭昇太会長も出席した。