「三月大歌舞伎」「4月大歌舞伎」の取材会を行った片岡仁左衛門

片岡仁左衛門(80)が19日、東京・泉岳寺で「三月大歌舞伎」(3月4~27日、東京・歌舞伎座)で上演する「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」と、「四月大歌舞伎」(4月3~25日、同所)で上演する「彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)」の取材会を行った。

取材会の前には、「仮名手本-」で大星由良之助を演じる、仁左衛門、尾上松緑(50)片岡愛之助(52)が3人で、墓参と法要を行った。墓所には由良之助のモデルとなった赤穂藩筆頭家老の大石内蔵助が眠っている。

仁左衛門は墓参を終えると「(義士の)皆さんの忠義心を感じました。特別なものを感じます。こうやってお参りさせていただいて皆さんの念ありますでしょう、その一念を後押しにしていただいて頑張りたいと思っています」と話した。

物語の発端から大詰めまでを上演する通し上演でないと、塩冶判官の切腹場面などの「四段目」や、討ち入りの場面などの「十一段目」は上演される機会がほとんどない。

仁左衛門は「これが最後とは言いませんが、この歳になったら、これが最後だと思う役も多い。(四段目などは)全部整わないとできない。あるいはこれが最後になるかも分からない。悔いの残らないようにつとめたい」と話した。

由良之助を演じるにあたり、大事にしたいことを聞かれると「忠義心」と話し、「四段目」では特に「大勢の人を束ねられる人物になれるかどうか」などと話した。

好きな段を問うと「四段目、五、六段目、七段目、九段目も好きなんです。十段目はあまり魅力を感じないかな」と、ざっくばらんに話した。

また4月の「彦山権現-」では、人のいい剣豪、毛谷村六助を演じる。「純朴でお人よし、親を大事にする人物が好き。芝居運びや芝居構成がすばらしい。義太夫狂言のすばらしさがありますよ」と作品の魅力を語った。

松本幸四郎とのダブルキャストで六助を演じる。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 片岡仁左衛門「これが最後と思う役多い。悔い残らないように」3月「仮名手本忠臣蔵」通し上演