インタビューで厳しい表情をみせる杉良太郎(撮影・野上伸悟)

歌手で俳優の杉良太郎(80)が18日、80歳になって声優に初挑戦したアニメ映画「親鸞 人生の目的」(28日公開)について都内でインタビューに応じた。「人間・親鸞」の苦悩や葛藤に焦点を当て「なぜ生きるか」をテーマにした作品で主人公の親鸞聖人の声を務めた。80歳になっての初挑戦。杉は令和を生きる人へメッセージを送った。【取材・構成=松本久】

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-令和を生きる人へのメッセージは?

杉 僕はね、今の時代は相談する人がいないんじゃないかなと思うね。警察もあって児童相談所もあって、教育委員会もあるけど、子どもは子ども、市民は市民の相談をするための(施設の)拡充・新設をしなきゃいけないと思う。何で悩んでるんだ、悩んでることをみんな言えと。それを僕は今ずっと実践してるんですよね。

-どういうことですか? 杉 47都道府県の警察を全部回って、一般の警察官の若い子たちに会う。悩みを持っているわけです。お前たちに悩みがあると困るのは市民なんだ。だから吐き出せっていうこと。この場で話せなかったら電話してこいとかね。そういう相談のできる人が今の時代は必要だと思ってるんだよね。

-若者へのメッセージをお願いします

杉 1回しかない人生。全員が全員同じカリキュラムで教えて優劣をつけるっていうのも、ちょっとしんどいかなと思います。学校の勉強はあまりできなかったけど走るのが得意だとか、投げたり打ったりするのが得意だとか。自分は何に向いてるかとか何になりたいかとか。そこを自分でいつまでに見極めるかみたいなところは大事じゃないですか。やりたいことを見つけるっていうことは、今やらないと手遅れになっちゃう。若いうちにやりたいこと、目的などを探しなさいというようなことを伝えたい。

-杉さんと同年代で、閉塞(へいそく)感を感じている人へもメッセージもお願いします

杉 元気でいる人でも、あちこちどこかが悪いんだけど、今は医学が進んでいるのであまり悲観はしないでほしい。自分で体を動かしたりしながら健康や精神状況を自分で診断して。調子がいいのであれば、第2、第3の人生も生きたらいいじゃないですか。でないと損だと思う。目的や目標は死ぬまであった方がいい。人生がもったいない。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 杉良太郎「第2、第3の人生があってもいい。そうでないと人生がもったいない」/インタビュー3