杉良太郎 人生の目的は「親を楽にさせたあげたい」カレー店で奉公も/インタビュー2
歌手で俳優の杉良太郎(80)が18日、80歳になって声優に初挑戦したアニメ映画「親鸞 人生の目的」(28日公開)について都内でインタビューに応じた。
「人間・親鸞」の苦悩や葛藤に焦点を当て「なぜ生きるか」をテーマにした作品で主人公の親鸞聖人の声を務めた。【取材・構成=松本久】
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-映画のタイトルが「人生の目的」で「なぜ生きるのか」という重いテーマです
杉 最初に本(脚本)を読んで「なぜ生きるのか」という言葉を突きつけられた時に自分で大分考えましたよ。俺は何で生きてるのかなって。俺は何で自分のことではなく、見たことも行ったこともない国で、頼まれてもいないのに何かをやろうとしてるのかなとか。自問自答が随分あった。だから「なぜ生きるのか」って言われても、いまだに答えが出てこない。「人生の目的」と言われても、あまりに重たい。ただ振り返ると、子どもの時に人生の目的と目標を立てたような気がする。
-子どもの時にですか
杉 貧しい時代だった。戦後で親が大分苦労をした。学校に持ってくる弁当で、おかずがいっぱい入ってる子はお金持ちなんだなとかひそかに思ったことがある。自分はおかずらしいおかずは入っていなかった。親は自分から「苦労をしてるよ」とは言わないけれども分かる。子供心に「何とか親を助けたい」「楽をさせてあげたい」っていう気持ちはそこで出てきたと思う。だから俺は働けるようになって、最初に言った言葉は「給料袋を切らないでお母さんにあげるよ」だった。早く働いて親に楽をさせてあげたい。それが人生の目的としての決心です。 -そして上京するわけですね
杉 俺はもう帰れない。帰ると親を泣かすから。だから東京に出てきて、知り合いのカレー店で奉公をした。無給料で朝昼晩カレーを食べて朝の6時から夜の11時まで働いた。364日働いて元日だけお休み。2年間やりましたよね。そこで強くなって芸能界に入って弱音を吐かないっていうことができました。