山根明さんの遺作となった映画「ON AIR」のワンシーン(撮影・阪口孝志)

昨年1月に84歳で亡くなった日本ボクシング連盟前会長の山根明さんが出演した日豪合作のコメディー映画「ON AIR-A MOVIE MAKING DISASTER」(ポール・オズ、三河宏輔監督)が16日、大阪市内で日本初公開された。

経営難のFM局を舞台に繰り広げられるコメディー映画。オーストラリアのミュージシャンで主演、監督を務めたオズ監督が「ヤクザみたいに怖い理事長役」を探していたところ、共通の知人を介して山根さんを紹介され、意気投合。23年に大阪市内で撮影が行われた。山根さんはがんとの闘病を隠して撮影に臨み、今作が遺作となった。

オーストラリアのインディーズフェスティバルで上演された際には、一般投票の「ピープルズチョイス賞」も受賞。当初、24年に公開予定だったが、オズ監督の1年間喪に服したいとの思いから、日本での公開が延期されていた。

オズ監督は「完璧な配役だった。具合が悪かったにもかかわらず、最後まで映画を完成させてくれた」と感謝。映画は短編とフルバージョンがあり、今回公開されたのは短編。作品を見た山根さんは喜んでいたという。

作品は動画投稿プラットフォーム「Vimeo」で公開される。オズ監督は「平和を愛し、紳士的で優しい人だった。今後日本各地で紹介していきたい」と話していた。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 山根明さんの遺作映画公開、がんを押しての熱演に監督も感謝「最後まで映画を完成させてくれた」