安住紳一郎アナ「大往生、ということで」追悼の14分熱弁「私も永明に魅せられた1人」
パンダ好きで知られるTBS安住紳一郎アナウンサー(49)が16日放送のTBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」(日曜午前10時)に出演し、かつて和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」で飼育されていたジャイアントパンダ「永明」を追悼した。
番組では冒頭で、永明が1月に天国に帰還先の中国で旅だったことを伝えた。安住アナは「20年くらい前かなあ、そんなにたつんだな、と思うんですけど、私も和歌山で永明に魅せられた1人として、この番組で皆さんにこういうパンダが和歌山にいるんですよ、ということをずいぶんと、皆さんにお伝えしてきた、ということで」と話すと、感極まったように数秒、沈黙。「昨日いろいろ過去の資料を見てみたら、私はこの20年間で9回ぐらい永明の話を番組の冒頭でしているんですよね」と笑いながら「和歌山アドベンチャーワールドの皆さんもそのことに気付いてくださって。永明の公式のフォトブックのようなものが2年半ぐらい前に出版されたんですけど、その時には公演にもお声がけいただいて、フォトブックにエッセーなどを書かせていただいたという、そんな縁もあります」と明かした。
安住アナはさらに「2014年12月のオンエアなんですけど、初めて聞くという方もいらっしゃるかもしれません。永明の偉大さが5分で分かる、そんな録音をご用意しましたので、お聞き下さい」と話すと、過去の放送回で、パンダのオスが年間で3日しかないメスの発情期を逃さないようにするという、繁殖の難しさを熱弁する録音をオンエア。永明を「ながあき」と呼び、繁殖能力の高さについて「パンダ界のプレーボーイ」と称した内容を伝えた。
オンエア後、安住アナは「今から11年前の録音を聞いて頂きました。11年前なので少し私が、勢いは感じるんですけど言葉が荒いというところもありまして」と自虐しながらも、「こうやって皆さんに永明のことを、ながあきのことを知って頂けたら、という私の願いは本当にかなったな、というところですけど。大往生ということで」と追悼した。
さらに「私がプレーボーイ、プレーボーイと言ってしまったので、話を面白くしてしまったんですけど、実際の永明はプレーボーイというよりも、穏やかで気遣いができて、紳士的なふるまいというか、そういうところがすごくあって、飼育員の皆さんもびっくりするぐらい、永明の性格の良さというものをお話しされている。顔がちょっととがって細身のパンダが、落ち着き払って堂々と、和歌山で観客の方を落ち着いてみている。パッと見た時に笑ってしまうような、そんななごやかさ、器の大きさを持っていて、一瞬で心を奪われた、という人が多かったようです。ささいなことで全く動じないし、頑固なんですけど、怒らずイライラしなくて、メス、異性に優しい。さらに超絶グルメですからね。おいしくない竹は食べない」と、思いをあふれさせるように語った。
和歌山アドベンチャーワールドで献花台が設置されたことも紹介。さらにラジオで永明を取り上げた回数について「先ほど20年間で7回って言いましたけど、もう一度数え直したら20年間で14回話してました」と“訂正”すると「とっても楽しませていただきました。ありがとうございました」と、序盤の14分ほどを割いて、永明をしのんだ。
永明は1992年9月に中国の北京動物園で誕生し、1994年9月に和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドに送られた。16頭の父親になるなど繁殖能力の高さなどで人気となり、23年に中国に返還された。今年1月25日に多臓器不全のため死んだ。32歳で、人間に例えると約100歳だった。
安住アナは過去に「在京の放送界で一番と自負しております」と話すほどのパンダ好き。同ラジオでは有識者や愛好家、精鋭リスナーで「パンダJAPAN」「パンダ命名塾」も立ち上げて赤ちゃんパンダの名前を予想するなど、番組ぐるみでパンダを応援してきた。