東宝の松岡宏泰社長(2024年撮影)

日本映画製作者連盟(映連)は29日、都内で2025年新年記者発表会を開いた。席上で、女性トラブルを認めて23日に芸能界から引退した中居正広氏(52)に関する一連の問題について、社員の関与が報じられているフジテレビの件に対する受け止めを問う質問が出た。

公開中の「室井慎次 生き続ける者」(本広克行監督)など、タッグを組んで映画を製作、配給することが多い東宝の松岡宏泰社長(58)は、同社がフジテレビの筆頭株主である点を踏まえ「複雑な関係」と指摘。「今回のことに関しては深く憂慮し、できる限り早く信頼を回復し、一緒に仕事ができるようにしたい」と語った。その上で「実質的に、フジテレビ筆頭の株主の立場としては異なる」と、映画製作をともにする立場と筆頭株主としての立場は違うと語った。

「週刊文春」による、社員が関与していたとする一連の報道を受け、フジテレビは17日に、社長を辞任した港浩一氏(72)の定例社長会見を前倒しして開催。ただ、記者クラブに加盟する社のみの参加でクローズドなものだったことに批判が集中したため、27日にはウェブメディア等にも参加を認める、フルオープンの形での“やり直し会見”を行い、午後4時から10時間超、対応した。

松岡氏は「2回目の記者会見前に、きちんとした調査を速やかに行い、信頼を早く回復して欲しいという要望書をお届けしました。現時点で対応しているのは、そこまで」と、フジテレビに要望書を提出したことを明らかにした。その上で「要望書は受け止めていただいて『ありがとうございます、拝受致しました』ということだった。東宝としては、フジの取り組みを注視したいというスタンス。現時点で株主としてできることは、したと思っています」と語った。そして「フジ・メディア・ホールディングスが、第三者委員会の調査の結果をもって対応するという方針を発表しているわけだし、その結果を待つことになるかと思います」と話した。

前日27日には「週刊文春」が報道の一部を訂正し、謝罪するなど事態は動いている。松岡社長は「問題が起きて、それほど時間がたっていない中で、さまざまなことが起こっている。1つ、1つ検討して、何かすべきことがあればする。フジテレビが第三者委員会を通じて、きちんと調査するのであれば、結果を待つのが良いのではないかと思う」と続けた。今後の影響に関しては「全く分からない。現時点では全て仮定の話になる。こうなったら、こうすると言うべきではない」とも語った。

10時間超に及んだ、27日の会見の受け止めを聞かれると「10時間…本当に長いなと。質疑応答、全てどうぞと言って時間を区切らずにやった。いろいろな意見があると思う。私個人としては、長くて大変だっただろうなというのが個人的な感想です」と評した。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 東宝の松岡宏泰社長「複雑な関係」筆頭株主としてフジに第2回会見前に要望書提出したと明かす