ブルーリボン賞新人賞を受賞した早瀬憩(撮影・鈴木みどり)

東京映画記者会(日刊スポーツなど在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成)主催の第67回(24年度)ブルーリボン賞が28日までに決定した。授賞式は2月12日に都内で開催する。

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早瀬憩(17)が「違国日記」(瀬田なつき監督)でダブル主演し「学んだことは全て」と心酔する新垣結衣(36)が08年に受賞した、新人賞を受賞した。「何か、自分事じゃないみたい。結衣さんのおかげ。受賞させていただきましたと報告したい」と喜びをかみしめた。

「違国日記」では、両親を交通事故で亡くし、新垣演じる叔母で少女小説家の高代槙生に引き取られ、同居を始める田汲朝を演じた。「映画に大きい、小さいはないけれど、役をいただいて、きちんと出たのは初めてだった。何も分からなかった私に、結衣さんは背中で全て見せてくださった」と、新垣との出会いが俳優としての自身を変えた。「準備の段階から、演じる役はもちろん、他の役まで考えている。こんなに熱量を持って作品に向き合うんだ、見習わなければいけないと思った」。何より「憩ちゃんは、そのままで良いよ」と言ってくれたことに、強く背中を押され「支え、励みになっている」という。

「あのコはだぁれ?」(清水崇監督)では、苦手なホラーに初挑戦。主演の渋谷凪咲(28)が演じた君島ほのかが、臨時教師を務めた学校の生徒・三浦瞳役を、オーディションでつかみ取った。勉強のため、見てこなかった「シャイニング」「オーメン」といった海外の名作ホラー映画や、ジャパニーズホラーを代表する「リング」を見てから撮影に臨んだ。「難しくて、不安要素が多かった。渋谷さんとシーンで分からないことがあったら考えた。CGで作るような場面が多い作品も初めて。自分の目の前にない風景を想像し、演じるのは難しく1カットごとに話し合い、みんなで作り上げた」と試行錯誤して作り上げた。試写を見て「こんなに怖いものになっているとは思わなかった」と振り返った。

今後の夢を聞かれると、18年に主演女優賞を受賞した新垣のような「全国民に愛されるような俳優」と即答した。「お芝居をすることが、好きだということが前提にある。息の長い俳優になっていけたら。今は、まだまだなので、しっかり実力をつけて、結衣さんのように唯一無二だと思われるようになりたい」と続けた。「新人賞は1回しか取ることができない。名誉なことで、うれしいですけど、新人という言葉はこれ以降、自分の中ではないと思う。(主演女優賞で)帰ってきます。戻って来られるように頑張ります」と、力強く誓った。【村上幸将】

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 早瀬憩、憧れ新垣結衣も取ったブルーリボン賞新人賞「結衣さんのように主演女優賞で帰ってくる」