「普通は即死」渡辺香津美、危篤状態から在宅療養に 妻「生きていてさえくれれば…」
脳幹出血で倒れ療養中のジャズギタリスト渡辺香津美(71)の現状について、在宅療養に切り替えたことを、妻でピアニスト、作曲家の谷川公子さんが18日までにnoteで報告した。
渡辺は2月27日に軽井沢の自宅で倒れ、緊急搬送されてから2カ月後に意識が戻り、その数日後に回復期リハビリテーションに特化した病院に転院したが、谷川さんは「急性期にお世話になった佐久医療センターからの転院にあたり、画像診断データをご覧になっての院長先生・・・開口一番、『これは、、、普通は即死ですね・・・』」と、奇跡的に一命を取り留めたことを示す医師の言葉を記すとともに、「車椅子で移動できる状態になりますか? 何があっても軽井沢の家で療養させたいと思います!!!」との要望を伝えていた。
渡辺はリハビリを経て、10月25日には生活拠点である軽井沢のアトリエに戻ることができたという。
ただ、「要介護認定5、肢体不自由により障害者1級」と認定され、「意思の伝達は右目の瞬き。微かに動く左手の指先。嚥下はままならず、食事は胃瘻による経管栄養。言うまでもなく、自力で起き上がることも、立つことも、座ることも、寝返りを打つことも、ましてや、歩いたり、走ったり、、、楽器を・・・・・ちょっと遠い夢」と現状を記した。
在宅療養では生活面において全面的に介助が必要な状態で、慣れない作業や環境にストレスや不安、体力的な苦労も。同様にストレスや苦しみを抱えているであろう渡辺の胸中を推し量りつつ、複雑な思いの中で介護に奮闘する様子をつづっている。
それでも「生きていてさえくれれば、ほんとうに、それだけで、それだけで、嬉しい!この家に帰ってきてくれて、この部屋の隅々まで、どんなに光が溢れているか、有り難くて、ありがたくて、アリガタイのです、よ」と前向きな思いを吐露。
「介護・・・とワタシが言ってしまうと、対等な人間関係は育めない、と気づきました。これまでも、これからも、かけがえのないパートナーシップなのだから、・・・お世話する側、世話をしてもらう側の、状況だけを切り取るようなことは避けていきたい。お互いの自由な心を解き放つことなく、やがてはどちらも疲れ果ててしまわないように!!!できるだけ対等な関係性を意識しつつ、常にニュートラルな心の状態を、忘れずにいることが、今のワタシの修行かな」と思いをつづった。