【映画大賞】「八犬伝」が最多5部門ノミネート 個人賞では池松壮亮が主演、助演にWノミネート
第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、株式会社石原音楽出版社協賛)のノミネートが12日、決定した。
10月25日の公開後、大ヒットを続ける「八犬伝」が作品賞、石原裕次郎賞、役所広司(68)の主演男優賞、内野聖陽(56)の助演男優賞、曽利文彦監督(60)の監督賞の、最多5部門にノミネートされた。曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」をモチーフにした山田風太郎の83年の小説を、華麗なアクションとVFX(視覚効果)で描いた「八犬伝」の物語と、物語を生み出した馬琴の実話の、2つのパートを巧みに絡めて表現した作品性が評価された。
東映で一時代を築いた「集団抗争時代劇」を現代によみがえらせた「十一人の賊軍」が、4部門5ノミネートで続いた。作品賞、石原裕次郎賞、白石和彌監督(49)の監督賞に、主演男優賞に同じ事務所の先輩、後輩でもある山田孝之(41)仲野太賀(31)がノミネートされた。
さらに、1館から口コミで全国170館超まで公開が拡大した「侍タイムスリッパー」が、作品賞、石原裕次郎賞、山口馬木也(51)の主演男優賞、監督賞の4部門でノミネート。京都で米作り農家を営みながら、映画製作を続ける安田淳一監督(57)が脚本、原作など1人11役を務めたオリジナル作品で、会津藩士の武士が時代劇撮影所にタイムスリップして「斬られ役」として現代を生きる姿を描いた。「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされた勢いで受賞を狙う。真田広之(63)が製作、主演した「SHOGUN 将軍」が米エミー賞で18冠に輝いたが、日刊スポーツ映画大賞も、例年以上に時代劇が存在感を示した。
個人賞では、池松壮亮(34)が男優賞で主演、助演にダブルノミネート。主演女優賞には、22年の第35回で新人賞を受賞した河合優実(23)がノミネートされた。また同賞に91歳でノミネートされた草笛光子は、受賞すれば初めてで、95年第8回の杉村春子さん(当時89)を抜き、最高齢受賞記録更新となる。助演女優賞には、05年の第18回で主演女優賞を受賞した小泉今日子(58)がノミネート。助演女優賞は、受賞すれば初となる。