「探偵!ナイトスクープ」で笑顔を見せる局長時代の西田敏行さん(2014年撮影)

俳優西田敏行さんが都内の自宅で亡くなったことが17日、分かった。76歳だった。関西の名物番組「探偵! ナイトスクープ」(大阪・ABCテレビ制作)で、初代局長を務めた上岡龍太郎さんの後を受け、01年から2代目局長に就任。19年11月まで務め、ダウンタウン松本人志に引き継いでいた。

上岡さんの後任を決める際、同番組のファンで探偵よりも年長、上岡さんクラスの大物といった条件が求められ、白羽の矢が立ったのが西田さんだった。

切れ味鋭く、探偵の調査が甘ければ怒ることもいとわない上岡さんとは打って変わって、よく泣く局長だった。感動的な内容の際はカメラを気にせずハンカチで目元を拭い、「なぜこの内容で?」という依頼で泣いていることさえあった。

当の本人もそうした“カラー”をはっきり理解し、引き際を考えていた。

「上岡局長のときに見ていたテイストっていうのは、大阪人のエスプリを根底にして、深い時間に大人のおっちゃんがチビチビやりながら楽しんで、乾いた笑いを求めてた。そのテイストを大事にしようと思ってて、何かの拍子に泣いちゃった。それからどんどん感動巨編的な依頼が増えて、ちょっと初期のころのコンセプトと乖離(かいり)してる気もした」

収録のため、新幹線で来阪することが肉体的負担と感じ始めたタイミングで、松本に「乾いた笑い」と「涙にぬれた感動」の両方が一緒になるような番組を託し、「依頼者の熱くてアホで真っすぐな思いにたくさん笑いましたし、ハンカチ握って泣きました。本当に幸せな時間でした。19年間本当にありがとうございました」と身を引いた。

同局は西田さんの訃報を受け、「明日18日の放送で、追悼のテロップを入れる予定です」と発表した。今後の追悼特番など、それ以外については未定としている。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 「怒」の上岡局長から「泣」の西田局長に 西田敏行さんが描いた「ナイトスクープ」の色