映画「徒花-ADABANA-」完成披露舞台あいさつに登壇した井浦新(撮影・村上幸将)

井浦新(50)が3日、東京・テアトル新宿で行われた日仏合作の主演映画「徒花-ADABANA-」(甲斐さやか監督、10月18日公開)完成披露舞台あいさつで、水原希子(33)から「天使」とたたえられた。 劇中で、井浦は死の危険もある病にむしばまれた新次を、水原は臨床心理士まほろを演じた。

まず冒頭で、井浦が「通い慣れたテアトル新宿でも作品、共演者が変わって、いつもと違う風景が見られております」と観客に呼びかけた。水原も「撮影していたのは2年前で結構、コロナという状況で、こんなに来てくれてうれしい」と観客に感謝した。

井浦が演じた新次は、不安がぬぐえなくなり、病気の人間に提供される全く同じ見た目の“もう一人の自分「それ」に会わせてほしいと、まほろに懇願する。自分と同じ姿をしながらも、今の自分とは異なる内面を持ち、かつ純粋で知的な「それ」に関心を持ち、のめりこんでいく。一人二役を演じたことについて聞かれ、井浦は「具合悪くなりました」と笑いながら口にした。その上で「台本を頂く前に、監督の頭の中にある構想を、かいつまんで聞かせて頂いた時、確実に2役になるなと。当時は経験がなかったので、やりがいしかないと思った」とオファーを振り返った。

今作に主治医役で出演し、作品のオフィシャルカメラマンも務めた永瀬正敏(58)が主演した、甲斐監督の19年の前作「赤い雪 Red Snow」に、井浦も出演した。当時を振り返り「前作『赤い雪』でも思った。没入するのに幸せを感じる。どれだけ具合が悪くなっても、痛くても、それが全て喜びに変わる経験をしているので、また監督の元でむちゃくちゃやらせてもらえるんだなと、うれしくも感じたり不安も感じました」と同監督作品に出演した際に感じられる、独特の喜びを熱く語った。

甲斐監督は「すごく響いてくださって。すごく大変なことになりつつも、新さんが楽しそうにされる、お芝居の提案のイメージ力がすごく、話している時にヒントを頂き、それは絶対に形にしようと思った」と井浦の熱い話が作品作りに繋がったと断言。「役者の力って本当にすごいなと、モニタを見ながら思わず驚くような…日本を代表する、こんな豪華な5人で当然だと思いますけど。撮影したのは1年半以上前ですけど、今でも思い出すと鳥肌が立つ」と登壇した俳優陣、全員にも感謝した。

水原は「まず役を理解するために、いろいろな臨床心理士にインタビューさせてもらった」と役作りについて語り出した。そして「本当に大変なお仕事なんです。心を開かなければいけない…受けすぎてもいけないし、近くなればディープになる…どこまで受け止めて、どこまで寄り添って、どこまで仕事として全うするか、すごく絶妙なライン」と臨床心理士について熱く語った。その上で「これは、とんでもない大変なお仕事と感じた中で(井浦演じる)新次さんが特殊な立場にある。独特な関係地で、任務をなかなかさせてもらえない…すごく絶妙な関係性。現場で、これ大丈夫? みたいな震えはあったけど、監督の言葉を信じた」と撮影を振り返った。

そして、井浦に視線を送り「もう、井浦さん…天使です」と感謝。観客に向かって「感じ取られていると思いますけど、あからさまに不安そうにしていたら、横に来て『大丈夫だよ、大丈夫だよ』と言ってくださると力が抜ける」と感謝。そして「皆さまのおかげで演じ切れて…担いで頂いた」と他の共演陣にも感謝した。

井浦は「希子さんは本当に真面目です。臨床心理士の話が止まらず、熱いなと。出番がなくても、最大限に現場を楽しみながらも、苦悩する姿が本当に素晴らしい。こんなに真面目で役と向き合う方だと感動しました」と絶賛した。

三浦透子(27)斉藤由貴(58)も登壇。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 井浦新主演映画「徒花」完成披露で水原希子から「天使」とたたえられ「希子さんは本当に真面目」