舞台「RTA・インマイ・ラヴァー」について語った前田悠雅(撮影・中島郁夫)

秋元康氏が総合プロデュースする劇団4ドル50セントの前田悠雅(25)が、劇団「東京にこにこちゃん」の新作公演「RTA・インマイ・ラヴァー」(2日から、東京・下北沢駅前劇場)に出演する。このほど取材に応じ、オーディションで選ばれた早笑(さえ)役に挑む心境や、26歳の誕生日を前にした思いをありのままに語った。

前田は今作で「東京にこにこちゃん」に初参加。「以前(同劇団の)作品を拝見して、本当に面白くて! 疲れるくらい笑いました。作品の最終地点で一気に感動が押し寄せてきて…。これを自分が届ける側に回ることができて幸せです」と満面の笑みを浮かべた。

ゲームクリアまでの早さを競うRTA(リアルタイムアタック)をテーマに、ある男の人生を描いた物語。前田は登場人物の中でもひときわマイペースな早笑役を演じる。

何かと他の登場人物よりも後れを取る早笑。前田自身は「どちらかというとテキパキ動く方」だという。しゃべり方や首の動き、まばたきなど、細かな動作にもこだわり「自分にブレーキをかけることを、かなり意識しています」。

「東京にこにこちゃん」は萩田頌豊与氏が作・演出を担当。前田は台本を初めて読んだとき、声を出して笑うほど面白かったという。舞台初日を前に「あとはもう役者の力というか、私たちが面白い脚本をちゃんと面白い状態でお客さんにお届けしたいので。まだ稽古をしていたいけど、でも早く皆さんにお届けしたい気持ちです」と語った。

今作は「世界最速で、人生のある部分に到達する男の物語」と銘打たれている。前田の目指す「人生の到達点」について聞くと、少し考え込み「おばあちゃんになるまでお芝居を続けていたいです」と話した。

「前に70代の方とお芝居をさせていただいたとき、私が必死に絞り出そうとしているものを、その方は手の動き1つで全て完結させてしまったように見えたんです」と回想。「自分がこの年齢にまで到達したときにどんなものが出せるのか、すごく興味があります」と笑顔で語った。

19日には26歳の誕生日を迎えるが「早く30歳になりたい」という。「この前同年代の子と話してたんですけど、26歳から29歳って、自分たちが何かさまよっている感覚がして。30歳になったところで何かが変わるかは分からないんですけど、きりの良い数字にすがりたいような気持ちがある」と苦笑いした。

26歳の抱負について聞くと「新しい自分を見いだしたい」と力を込めた。占いでも新たなことを始める時期だと伝えられたという。語学の習得などに意欲を持ち「自分が持っていないものを埋めていく作業を20代前半でやったとしたら、20代後半は違う空っぽの引き出しを作って、そこを埋めていく作業をしたいという感覚があります」と話した。

19日の誕生日当日には、バースデーイベントを開催する。歌やピアノの弾き語りのほか、ファンと直接トークするパートも計画中だ。「待っていてくださるファンの方がいるからこの仕事を続けられるんです」と笑みを浮かべた。

26歳。引き出しはまだまだ無限大だ。「これからも皆さんにワクワクしてもらえるようなことを続けていきたいなと思います。見守っていただけたらうれしいです!」と呼びかけた。【玉利朱音】

◆前田悠雅(まえだ・ゆうが)1998年(平10)10月19日、千葉県生まれ。17年から秋元康氏プロデュース「劇団4ドル50セント」の劇団員として活動。ABEMA「恋愛ドラマな恋がしたい3」(19年)など出演。特技は歌を歌うこと。160センチ。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 劇団4ドル50セント前田悠雅「おばあちゃんになるまでお芝居を」26歳は新しい自分に出会う1年へ