サカナクション山口一郎(2021年10月撮影)

ロックバンド、サカナクションのボーカル&ギター、山口一郎(43)が30日、インスタグラムを更新。うつ病の症状が続くつらさや、現状について発信することへの葛藤をつづった。

山口は「鬱病には『揺り戻し』という頑張れた一日の後にケチをつける副作用が存在する」と、症状が落ち着いたりぶり返したりと、調子に波がある回復期の特徴について書き出した。そして「今、フェスによる『揺り戻し』の繰り返し無限ループから抜けられなくて、非常にしんどい。早く慣れなければ、早く新しい習慣を身につけねばと、通院や、慎重な行動を心がけているが、どうにも沼に足を取られて、濁った泥面に浮かぶ死んだ蝉のように、いつか沈んでしまうのではないかと怯えてしまう」と悩まされる様子を明かした。

続けて「そんな寛解とは程遠い日常を過ごしているのだが、これを伝えるべきか、しゃぶしゃぶの時に鍋底に沈み焦げつくマロニーのように、自分の中だけで秘匿しておくか悩むのだ。発信すれば誤解を生むし、黙っていても違う誤解のされ方をする」と、発信することへの葛藤も。「この病気を公表し音楽を続けていく事は想像より、しんどい事なのかもしれない」と吐露した。

さらにSNSでの投稿について「暗闇の中、相手に向かって硬球を投げるキャッチボールと同じで、安易で危険だ。しかも投げたらいずれ100%近く相手に届く固い硬球だと思った方がいい」と野球の投球にたとえ、「狙って投げなくても、狙って投げても、相手のどこかに当たる言葉のツーシームだ。当たりどころが悪ければ、相手の精神状態に致命傷を負わせる可能性があるのだ」と、社会問題となっている誹謗(ひぼう)中傷や過度なバッシングにも言及。「ネット上での品性とは、声と文で伝わり方は変わるが、一視点から瞬発的に自分から溢れ出た考えを、一度自分の中に留めて優しさで熟成させる事だ。時間や他意見により濾過させ、それを会ったこともない不特定多数に発信すること。それが最大のネットリテラシーの作法の一つではないかと思う。人に優しくして損することなんてないのだから」と思いをつづった。

山口はうつ病による体調不良で22年7月から休養と療養を続けてきたが、今年1月にステージ復帰を果たし、2年ぶりとなる全国アリーナツアーも敢行した。今年5月にはNHKスペシャル「山口一郎“うつ”と生きる~サカナクション 復活への日々~」が放送され、再起を期す姿などが伝えられ話題となった。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 サカナクション山口一郎、うつ病“揺り戻し”「非常にしんどい」 SNS発信の葛藤も