映画「箱男」公開記念舞台さいさつに登壇した白本彩奈(撮影・村上幸将)

俳優の白本彩奈(22)が24日、東京・新宿ピカデリーで行われた映画「箱男」(石井岳龍監督)公開記念舞台さいさつで、作品を象徴するキャラクター・箱男がかぶる段ボールは「本当に入りたくなかった」と笑いながら撮影を振り返った。一方、石井岳龍監督(67)は、白本の俳優としての才能を絶賛した。

白本は、謎の女・葉子役をオーディションで勝ち取った。主演の永瀬正敏(58)演じる“わたし”を誘惑し、浅野忠信(50)演じるニセ医者、佐藤浩市(63)演じる軍医の間に立ち、3人を翻弄(ほんろう)する、裏の主人公とも言っても過言ではない難解な役どころだ。

「箱男」は、1993年(平5)に亡くなった芥川賞作家・安部公房さんが73年に発表した代表作の映画化作品。幻惑的な手法と難解な内容で映像化が困難と言われ、ヨーロッパや米ハリウッドの著名な映画監督が映画化を試みたが、安部さんサイドが許諾を出さなかった。その中、石井岳龍監督(67、当時は聰亙)が安部さん本人から直接、映画化を託され、1997年(平9)に製作が決定。主演に永瀬、共演に佐藤をキャスティングし、万全の準備をしたが、ドイツのハンブルクでクランクインする前日に撮影が頓挫。幻の企画となっていたが、23年夏に執念で撮影にこぎ着けた。

石井監督、永瀬、佐藤は27年前から、引き続き作品に関わる“オリジナルメンバー”だが、27年前に佐藤が演じる予定だったニセ医者にキャスティングされた浅野と、白本は今作から作品に参加した。白本は「恐れ多かったし、怖かった。ただ、オーディション段階から心を固めてはいた。やるぞという気持ち」と、オーディション合格当時を振り返った。役作りについては「具体的なところは、あまり装弾することはなく、『こういうことをトライして良いですか?』と監督にお話しした。監督から、任せるというエネルギーが伝わって心が固まった」と、伝えってきた石井監督の信頼感に支えられていたと感謝した。

公開前から、劇中でヌードに挑戦したことが一部芸能メディアで報じられ、話題を呼んでいる。ただ、石井監督は「白本さんの役の理解がすごかった。人間的にも非常にクレバーで、日本を代表する俳優さんと、しっかりとできるんじゃないかと確信しました」と、白本の俳優としての才能を絶賛した。

段ボールをかぶったか? と聞かれると、白本は「撮影中は、本当に入りたくなくて…いろいろな意味があって。撮影後に存分に入りました」と笑いつつ、ともに登壇した箱男に視線を送った。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 「箱男」“裏主役”抜てき白本彩奈、ヌード挑戦話題も監督「日本代表する俳優とできる」才能絶賛