氷川きよし(21年10月撮影)

歌手氷川きよし(46)が17日、東京・江東区の東京ガーデンシアターでライブを行い、約1年8カ月ぶりに歌手復帰を果たした。16日の同所公演は台風7号の影響で延期していた。

ピアノ演奏とともに幕が上がり、袖から歩きながら登場。黒ラメの上下服で「WALK」から歌い始めた。復帰を待ちわびた約6500人から温かい拍手を受けると笑顔が何度も弾けた。「皆さん、今日はありがとうございます。思い切り楽しんでくださ~い」。約1年8カ月ぶりにファンへ直接かけた言葉だった。その後には「ありがとうございました。サンキューソーマッチ」。軽やかな英語も飛び出した。

序盤はポップス曲を並べたが、中盤は白いえんび服と紋付きはかま姿で演歌・歌謡曲をそろえた。「一緒節」の歌唱では「皆さん、手拍子をご一緒に」と呼びかけ、「きよしのズンドコ節」では「今日はありがとうございます。イエ~イッ」。いつもの“きよし君”らしさ全開のノリノリだ。「箱根八里の半次郎」の歌唱では、会場中からなじみの「きよしぃ~」コールも飛び出した。ファンの声援に感極まったのか、歌唱途中で言葉を詰まらせるシーンもあった。

後半に入ると、友人で音楽ユニットTM NETWORK木根尚登(66)がゲストとして登場。デニム衣装に着替えた氷川は、木根のギターやピアノ演奏で「SEVEN DAYS WAR」などを歌った。ファンが手に持つボードに「待ってたよ」「お帰り、KIINA」「感謝」などと書いてあるのを読み上げて「すごくうれしい」「泣きそうですけど、意地でも泣かない」。だが、父への感謝の思いを自ら作詞した曲「Father」の歌唱後には自然と大粒の涙があふれ出ていた。

アンコールでは白黒ドレスにパンツのスタイルで「限界突破×サバイバー」などを熱唱。爆発的な歌唱を会場中に響かせ、客席を歩いてファンと熱烈なハグを交わした。「最高、皆さん、最高です! この日を忘れません」。

22年末で歌手活動を休止して休養入り。今年4月には、2000年のデビュー以来所属していた長良プロダクションから3月いっぱいで独立し、新会社「KIIZNA」を設立したことを発表した。この日、巨大スクリーンに復帰にあたっての自身の思いをつづり、ファンに伝えた。

デビューから休養までの23年間走り続けた「氷川きよし」と新しい呼び名の「KIINA」。そのどちらも「すべて自分」だと説明して「KIYOSHI HIKAWA+KIINAの歌のパワーでファンの皆さまを幸せにしたい。そんな新たな気持ち」でこの日、25周年の節目のスタートをきった。

衣装は5変化で、演歌からポップス、ロックまで“見て楽しく、聞いても楽しい”約3時間で32曲を披露。休養でフル充電をした“新生KIYOSHI”の健在ぶりを示した復活ステージだった。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 氷川きよし1年8カ月ぶりの復活ステージ きよしコール、演歌&ロック、大粒の涙と絶唱の3時間