舞台「カルメン故郷に帰る」について語る藤原紀香(撮影・中島郁夫)

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女優藤原紀香(53)の主演舞台「カルメン故郷に帰る」(17~25日、東京・新橋演舞場ほか)が間もなく開幕する。原作は、初の国産カラー作品として知られる名作映画。初めて舞台化される作品の魅力や、前向きで明るく、信念を貫く主人公への思いを語り、多忙な毎日の一端も明かした。【小林千穂】

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★初めて舞台化

木下恵介監督と高峰秀子さんによる映画の初舞台化。主演が決まり、あらためて映画を見なおしたという。パンフレットもネットで探して手に入れた。

「カラー映画を日本人に見せたいという、当時の映画人の強い思いが込められていることをあらためて感じました。高峰さんはパンフレットのインタビューで、カルメンのことをフーテンと呼んで、思い切りやりたい、演じるのが楽しみだと言ってるんです。フーテンを調べてみると、ちょっと抜けたという意味の他に、時代感覚に優れた人という意味もあるんです。役作りの上でとても興味深かったです」

東京でストリッパーとして働くリリィ・カルメンことおきんちゃんが、同僚を連れて里帰りすることで一騒動起こる-という物語。カルメンの人物像、人間関係がより色濃く描かれた舞台になると自信を見せる。

「いろんなシーンで涙しました。田舎から浅草に出て苦労したことや仕事への思いを話す場面、お父ちゃんとの会話…いろんな場面がハートフルです。歌やダンスのショーの場面もすごくかっこいいです」

カルメンが、持ち前の明るさで周囲を魅了する姿に思いを寄せる。

「あこがれます。強くて、明るくて、タフでみんなをハッピーにさせる人。いろんなことがあるけど、結局みんな彼女が大好きになる。そういう人って、この時代に必要だと思うんです。カルメンの背中を見て演じようと思います」

自らを芸術家と呼ぶカルメンにも深く共感する。

「信念を持って夢に突き進んで、リスクを恐れずブレない人は、どんな仕事をしていても芸術家だと思います。何が踊り子だって言われる彼女ですが、自分の選んだ仕事を芸術と言えて、偏見なんのその、と明るくたくましく歩く姿は、時代を超えて勇気や元気を与えるのではと思います」

今年は、「カルメン-」を終えるともう1作、舞台が控えている。

「舞台は、一期一会の感覚やお客さまの息吹、カーテンコール、すべてが特別な空間です。体力勝負で大変ですけど大好き! カルメンが、歌や踊りが好きだと言うのと同じように、私も芝居、演劇が好きだなって思ってます」

◆舞台「カルメン故郷に帰る」

東京で働くリリィ・カルメン(藤原紀香)が、同僚の朱美(横山由依)を連れて和歌山に帰郷した。初恋の人春雄(徳重聡)との再会、村長(渋谷天外)の冷たい反応、父(石倉三郎)からの勘当、運送会社社長(福田転球)がストリップショーを画策…さまざまな騒動が起こる。映画では浅間山のふもとが描かれたが、藤原のルーツでもある和歌山に舞台が移された。錦織一清さん演出。

■「お客様目線」愛之助が助言

夫で歌舞伎俳優片岡愛之助(52)の存在が心強い。藤原は「一般のお客さまの目線で見たいと言うので、台本も見せてないし、内容も言ってなかったりすることもあります。『こんな演出なんや』『ここちょっと分かりにくかったな』などと言ってくれることが、ヒントになってありがたいです」と語った。歌舞伎は役者の妻として劇場の後方で見ており「見てるだけで学びになります。所作、言い回しなど本当に勉強になっています」と話した。

■セリフ覚えは「腸を元気に」

最近ラジオで「2000年くらいから睡眠時間は3時間くらい」と明かし話題になった。藤原は「寝られる時は寝ますって(笑い)。ただ、結婚してからも、いろんなことをやりますので、睡眠は短いです。慣れるんですよ」と余裕の表情だ。多忙な中でのせりふ覚えの秘策を聞くと「脳みそとの闘いですが、脳は腸を元気にしないと動かないので、発酵食品、おみそ汁や発酵ジュースを毎日飲みます。腸にも脳にも良く、すごく頭も回って、元気なんです」。温活に関する資格も3つ取得し、ますますパワフルに活動している。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 藤原紀香「カルメン」故郷に帰る 設定を「ルーツ」和歌山に移して主演 主人公への思い語る