女子52キロ級2回戦で敗れ号泣する阿部詩(ロイター)

ABCテレビ澤田有也佳アナウンサー(30)が、柔道男子66キロ級で日本柔道8人目となる五輪2連覇を達成した阿部一二三(26=パーク24)の試合を観戦し、兄の初戦を前に女子52キロ級で2回戦敗退した妹詩(24=パーク24)との絆を実感した思いを語った。

澤田アナは、出演している関西朝の名物番組「おはよう朝日です」(月~金曜午前5時=関西ローカル)の仕事で、現地のパリへ。メディアパスは所有していないため、「足を使うしかない。ちょっとクタクタです。パリの町並みがなんとか支えてる感じです」と笑いながら、ファスナーつきのかばんを前に回し、しっかりと防犯対策をした上で、リポートした。

「一二三選手の試合、チケットを買って見に行ったんです。一二三選手が一本をとった瞬間、会場が…国とか、そういうのをすべて越えて。歓声が、指笛が、まだ耳に残っています」

興奮冷めやらぬ様子で、夜の現地から生中継で伝えた。

「一二三選手は入場してきた時は、顔がこわばっていて、勝った瞬間、ようやく笑顔で。畳をおりて、家族の方に行った時に、唇をかみしめるような。泣きたいけど、お兄ちゃんだから…みたいな」

自身も感極まったような表情で、快挙の瞬間を伝えた。

澤田アナは現地で、「家族の3列ぐらい後ろに座ることができた」と言い、妹詩が兄の試合をスタンドから見守る姿も目に入っていたという。

「詩選手、準決勝の試合、私の真ん前ぐらいで見ていたんですけど、両手で顔をぬぐうようなしぐさで、ちょっと泣いてたのかな」

その会場での出来事だった。

「ちょうど、(一二三の試合前後に)通路から詩選手の通路に入ろうとしている方がいたんですね。詩選手は『集中して見たいけど、でも、移動しなきゃいけないのかな』って、立ち上がろうとした時に、私の前のポーランドの女性が『今、兄の試合を見ているんだ。ちょっと、5分待って』って。英語が堪能じゃないんですけど、一生懸命、なんとか(伝えた)」

スタンドの他国の観衆も、妹が兄の試合を見届けられるよう、配慮を求めていた光景を目の当たりにし「兄弟の絆みたいな、(会場の)一体感というのを感じました」。詩選手の感極まった思いにも「いろいろな複雑な思いもあっての涙。自分の分も背負ってくれた兄への、いろんな思いが涙になったのかなと思いました」と思いやっていた。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 兄の試合見守る阿部詩を“守る”観客の行動に感動…ABC澤田有也佳アナが現地から観戦リポ