ポーズをとる俳優の池田匡志(撮影・千葉一成)

何色にも染まれる役者になる。第96回全国高校サッカー選手権への出場経験もある俳優池田匡志(24)が活躍の場を広げている。大学4年時から芸能活動を始め、今春までは「王様戦隊キングオージャー」に出演。以降も風俗店セラピストや金融の取り立て屋、ボーイズラブなど多様な配役に挑戦しており、7月26日放送のテレビ朝日系連続ドラマ「伝説の頭 翔」(金曜午後11時15分)第2話では恐喝を働く不良少年役を熱演。小学生の頃からバンド活動にも励むなど、変幻自在の器用さで活躍するホープに、今の声を聞いた。【松尾幸之介】

色白の肌によく似合う、白いジャケットとパンツ姿で池田は取材部屋に姿を見せた。「もともと肌が白くて、サッカーしていた頃も周りと比べるとあんまり焼けていなかったんですよ」。背番号10を背負って徳島北を初の全国大会へと導いた司令塔は、少し照れながら笑った。

直近までお茶の間の子どもたちを沸かせていた「王様戦隊キングオージャー」では、クモがモチーフの追加戦士スパイダークモノスとして活躍。戦隊もの出演は憧れの1つだったといい、「かつての自分がそうであったように、子どもたちに憧れられるヒーローになれるように努めました。撮影から始まり、イベント、PR番組などいろんなことを通して社会人としても成長できました」と1年以上に渡る長丁場を振り返った。

ピンチを救う王道ヒーローはもちろん、難しい役どころも器用にこなす演技力が評価されている。「自分は髪形や服装、メークを変えるだけで印象がかなり変わりやすいんです。お芝居でもどんな役にも真摯(しんし)に向き合って、その役の仕事についてもしっかりと理解して演じることを心がけています」。

不良少年役を演じる今回放送の「伝説の頭 翔」では、同事務所の先輩で主演の高橋文哉との共演も実現した。22年のTBS系連続ドラマ「君の花になる」以来の共闘に「作品への思いも聞いていましたし、本当にうれしい限りです」と語り「今回は恐喝などで物語をかき乱していきますし、また僕の新たな一面が見られると思います。文哉君も出演を喜んでくれました。年下ですけど芸歴では大先輩。結構、兄貴肌のある人で、普段から相談に乗ってもらったり、一緒にご飯に行ったりもしていますね」と笑顔で話した。

幼少期から器用な少年として育ってきた。サッカーでは地元の徳島ヴォルティスジュニアユースから高体連での全国大会出場を目指して徳島北へ。エースとなった高校3年時に目標をかなえた。2人の兄の影響から小学生の頃から音楽活動にも興味を持ち、ドラムやギターも経験。バンドを組み、高校の文化祭などでもパフォーマンスしていた。「兄の影響もありますけど、昔から好奇心旺盛で何でもやってみたいというタイプ。音楽活動はこれからもまた力を入れていきたいなと思っている分野の1つですね」と話した。

大学から上京し、1年時に母親の応募もあり第31回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストに応募。以降は普通の学生生活を送っていたが、そうした経験から徐々に芸能界も意識するようになっていた。就職活動も行っていたが、3年時に現事務所からスカウトを受け、所属を決意。22歳から本格的に活動を始めた。

今後へ向けては「何色にも染められる絵の具のパレットみたいな俳優になりたいですし、池田匡志で冒険してもらえたらうれしいなと思っています」と意気込み「まだまだやりたいことはたくさんありますし、いろんな経験や思考をしていって1人の人間としても魅力的になっていきたいです」と力を込めた。役では「どん底からはい上がる復讐(ふくしゅう)系だったり、二面性のある癖のある役とかも興味がありますね」といい「もちろん純粋な恋愛ものもいつかはやってみたいです。誰かのあとを追うわけではなく、個性を出して自分の道を進んでいきたいなと思っています」。

地元徳島にいる両親ら家族も活躍を喜んでいる。「うれしいですね。たまに地元に帰っていますけど、時間の流れがゆっくりに感じて、思考も研ぎ澄まされる感覚があります。この先、振り返った時に笑って終われるように、しっかりと努力してひとつひとつの仕事に取り組んでいきたいです」。これからもじっくりと自分の色を増やしていく。

◆池田匡志(いけだ・まさし) 1999年(平11)12月13日、徳島県出身。21年TBS系ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で役者デビュー。テレ朝系「もしも、イケメンだけの高校があったら」、テレ朝系「アカイリンゴ」、テレ東系「買われた男」、テレ東系「晩酌の流儀3」、映画は「闇金ドッグスX」が8月10日に公開。4学年上と10学年上の兄がいる。サッカーやドラム、アコースティックギターのほか、ファッションも好き。175センチ。血液型O。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 【インタビュー】戦隊出身から風俗店員、闇金、BL…池田匡志の色彩は無限大「冒険してほしい」